2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K14342
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
伊藤 雅史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (80393114)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エクソソーム / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞から分泌され体液中に存在する膜小胞、エクソソームの表面には細胞膜タンパクが発現し、中には細胞質タンパク・miRNAが含まれることから、エクソソームは新たなタイプのバイオマーカーおよび細胞間情報伝達手段として注目されているが、ヒトの脳におけるエクソソームの役割は不明である。本研究では、認知症症例の剖検凍結脳からエクソソームを単離した後に、ニューロン・グリア由来のエクソソームを単離し、その中に含まれるタンパク・miRNAのプロファイリングを行い、さらに機能解析を行うことにより、認知症における脳内エクソソームのバイオマーカー・治療標的としての可能性を明らかにすることを目的としている。 本年度は、まず従来法によりマウス凍結脳から単離したエクソソームの形態観察、粒径測定、エクソソームマーカーの発現解析を行ったところ、純度・収量が不十分であることが判明した。そこで、単離法の改良を試み、最終的にエクソソームの特徴を備えた膜小胞を凍結脳から単離することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来法では高純度・収量のエクソソームを単離できないことが判明したため、単離法の改良をする必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
単離法を確立することができたので、今年度は、認知症症例の剖検凍結脳からエクソソームを単離した後に、免疫沈降法によりニューロン・グリア由来のエクソソームを単離し、その中に含まれるタンパク・miRNAのプロファイリングを行うとともに機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の出発点となる凍結脳からのエクソソーム単離法の改良をする必要が生じ、計画の進捗が若干遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度実施予定であったニューロン・グリア由来エクソソーム単離のための物品費の購入に充てる。
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