2015 Fiscal Year Annual Research Report
がん幹細胞の免疫回避微小環境を誘導する機構解明と克服
Project/Area Number |
15K14384
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐谷 秀行 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80264282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 英志 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (50464996)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / がん幹細胞 / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者がこれまで開発してきた正常免疫能を持つ同種マウスへの移植が可能なマウス人工がん幹細胞を用いて、がん幹細胞が腫瘍免疫をいかに制御するのか解明することを目的とし研究を行った。本研究ではマウス卵巣がん、白血病モデルに焦点を当て解析を行った。 1. 卵巣がん幹細胞マーカーであるEpCAM陽性細胞でマクロファージ等による貪食を防ぐ機能があるCD47の発現が高いことを見出した。そこでCD47の高発現、低発現細胞をソートし移植を行ったが、どちらも腫瘍形成に大きな差は生じなかった。さらにCD47の導入や抑制を行っても同様に腫瘍形成能に変化がなかった。これらの結果からCD47の発現は卵巣がん幹細胞の腫瘍免疫の回避に必須ではないことを明らかにした。またEpCAM陽性細胞はCXCL1やM-CSFなどの因子を特異的に放出していることを見出した。これら因子によって誘引された免疫細胞にがん幹細胞がさらに働きかけることで生存に有利な免疫抑制環境が作られる可能性が示唆された。 2. 前駆B細胞リンパ芽球性白血病(Pre-B ALL)を発症するc-Myc発現前駆B細胞及びp190-BCR-ABL発現前駆B細胞を用いて移植後の免疫回避機構の検討を行った。その結果、p190-BCR-ABLによって発症したPre-B ALLはc-Mycと比較して、T細胞による攻撃を抑制する免疫チェックポイント因子であるPD-L1の発現が高いことを見出した。つまり、p190-BCR-ABLを発現した前駆B細胞は生体内において独自の腫瘍免疫抑制環境を作り出し、ALLを発症することが考えられる。さらにALLを誘導するがん遺伝子の種類によって異なる腫瘍免疫回避機構が存在する可能性を明らかにした。
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[Journal Article] ALKR1275Q perturbs extracellular matrix, enhances cell invasion and leads to the development of neuroblastoma in cooperation with MYCN.2016
Author(s)
Ueda T, Nakata Y, Yamasaki N, Oda H, Sentani K, Kanai A, Onishi N, Ikeda K, Sera Y, Honda ZI, Tanaka K, Sata M, Ogawa S, Yasui W, Saya H, Takita J and Honda H
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Journal Title
Oncogene
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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