2016 Fiscal Year Annual Research Report
Virus prevention strategy using symbiosis bacteria
Project/Area Number |
15K14860
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
新井 智 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 主任研究官 (80321868)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 共生細菌 / ウイルス感染 / 媒介蚊 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに日本、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジアに生息するコガタアカイエカ、ニセシロハシイエカ、シロハシイエカ、カラツイエカ、ハマダライエカ、アカイエカ、クロフクシヒゲカ、ヤマトクシヒゲカ、ヤマトヤブカを対象にボルバキア感染を検索したが、感染はわずかにアカイエカにのみであった。これらの結果から、ボルバキアを媒介蚊対策に用いる方法は多様な蚊種に対して有効と示唆された。既に世界各地でボルバキアを用いた媒介蚊対策が実施されている。これらの対策も効果が得られると予想される。しかしながら、日本、エチオピア、インドネシア、韓国、ミャンマー、ベトナムで捕獲されたアカイエカのCOI遺伝子を用いた解析では、アカイエカのCOI遺伝子は極めて均一で地理的な多様性も認められなかった。ボルバキア感染の確認できなかったコガタアカイエカでは、種内変異は少なくとも数%認められるのに対してアカイエカでは0.2-0.3%のみで地理的な変異も検出できていない。ボルバキアは経卵感染の母系で維持されており、ボルバキア感染がボトルネックとして作用し、ボルバキア感染に対して有利な系統のみが選別・選択されている可能性が示唆される。これらの現象は、環境中にボルバキア+系統を散布した場合にも顕在化する可能性があり、現時点では確認されていないがボルバキア感染抵抗性系統が出現する可能性が示唆さる。今後環境中にボルバキア感染抵抗性系統の出現を注視していく必要がある。
|
Research Products
(1 results)