2015 Fiscal Year Research-status Report
バイオイメージングによるエンドソーム―ミトコンドリア相互作用の生理的意義の解明
Project/Area Number |
15K15023
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 雄介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30333503)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞内小器官 / 相互作用 / 蛍光バイオイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ミトコンドリア局在タンパク質の1つが、PI3Kと結合することを見出した知見をもとに、異種オルガネラ間相互作用の生理的意義を解明することを目的とした当該因子の解析を行った。まず当該因子をsiRNA法によりノックダウンしたところ、予想通りエンドサイトーシスが抑制された。また逆に過剰発現によりエンドサイトーシスが亢進したことから、ミトコンドリアタンパク質がエンドサイトーシスの制御に関与する新知見を確認した。一方この分子は、哺乳動物において3つのファミリー分子があることが報告されている。そこで、結合の特異性を生化学実験により確認したことろ、いずれのメンバーもPI3Kと結合することが解った。今後結合ドメインの同定等をすすめる。一方、興味深いことに、それぞれの因子をノックダウンした際のエンドサイトーシス能を比較検討したところ、他の2因子はエンドサイトーシスの制御に関与しないことが明らかになった。したがって、同様にPI3Kに結合するにもかかわらず、いかにして固有の機能をはっきするかについても、今後解析をすすめる必要性があると考えられた。このファミリー分子は、アミノ酸配列において高い相同性・同一性を有しているが、ノックアウトマウスの表現形に大きな差異があると報告されている。今回得られた知見により各ファミリーが担う生理機能の特異性についても迫ることができるのではないかと期待される。 また、オルガネラの細胞内分布についても検討を加え、これまでにノックダウンや過剰発現によって、ミトコンドリア、早期エンドソーム、後期エンドソームの局在が変化することを見出した。また、エンドソームの成熟にも影響することも解った。今後はこれらの分子機序解明をめざす。一方で蛍光タンパク質負荷により因子の局在が内在性のものと異なることが問題点としてあげられており、ライブでのオルガネラ動態観察が実施できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初調書に記載した研究計画と比較して、蛍光タンパク質タグ付加によるイメージングが遅れているが、他の項目では調書以上の進展があるものもあり、全体的に予定通りと判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光タンパク質を用いたライブイメージングは、本研究会実施のための最重要課題で、リンカー長の調節を始め種々の検討により開発をすすめる。他の研究項目に関しては、当初の予定通り解析を進め、本年度中に学術雑誌に成果を投稿することを目指す。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Lypd8 promotes the segregation of flagellated microbiota and colonic epithelia.2016
Author(s)
R. Okumura, T. Kurakawa, T. Nakano, H. Kayama, M. Kinoshita, D. Motooka, K. Gotoh, T. Kimura, N. Kamiyama, T. Kusu, Y. Ueda, H. Wu, H. Iijima, S. Barman, H. Osawa, H. Matsuno, J. Nishimura, Y. Ohba, S. Nakamura, T. Iida, M. Yamamoto, E. Umemoto, K. Sano and K. Takeda.
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Journal Title
Nature
Volume: 532
Pages: 117-121
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Receptor activator of NF-κB ligand induces cell adhesion and integrin α2 expression via NF-κB in head and neck cancers.2016
Author(s)
T. Yamada, M. Tsuda, T. Wagatsuma, Y. Fujioka, M. Fujioka, A.O. Satoh, K. Horiuchi, S. Nishide, A. Nanbo, Y. Totsuka, H. Haga, S. Tanaka, M. Shindoh and Y. Ohba.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 6
Pages: 23545
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Adaptor protein CRK induces epithelial-mesenchymal transition and metastasis of bladder cancer cells through HGF/c-Met feedback loop.2015
Author(s)
R. Matsumoto, M. Tsuda, L. Wang, N. Maishi, T. Abe, T. Kimura, M. Tanino, H. Nishihara, K. Hida, Y. Ohba, N. Shinohara, K. Nonomura and S. Tanaka.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 106
Pages: 709-17
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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