2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 潔 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20309446)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 関節リウマチ / Th17 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常人と発症初期(1年以内)の関節リウマチ患者の腸内細菌叢を次世代シークエンサーを用いて解析した。その結果、関節リウマチ患者の一部で健常人には見られないプレボテラ菌優位な腸内細菌叢のパターンが認められた。すなわち、関節リウマチ患者では腸内細菌叢の乱れ(ディスビオーシス)が認められた。次に関節リウマチ患者で認められるディスビオーシスが、関節炎発症の結果なのかトリガーになるのかを解析するため、関節炎モデルマウスであるSKGマウスに健常人および関節リウマチ患者の腸内細菌叢を定着させた。SKGマウスをまず無菌化し、そこに健常人および関節リウマチ患者の糞便を移植したところ、ヒトの腸内細菌叢とほぼ同様の腸内細菌叢を有するSKGマウスを作製することができた。次に、このヒト腸内細菌叢を有するSKGマウスの関節炎感受性を解析した。SKGマウスは、真菌成分を投与することによりTh17細胞優位な関節炎を発症する。健常人腸内細菌叢を有するSKGマウスに比べて、関節リウマチ患者の腸内細菌叢を有するSKGマウスは、真菌成分を投与後、関節腫脹が激しくなり、病理組織でも関節の炎症性変化が極めて強くなっており、強い関節炎を発症することが明らかになった。また、このマウスでは、所属リンパ節および大腸粘膜固有層においてTh17細胞の数が増加していた。以上の結果から、ヒト腸内細菌叢を有するマウスの解析から、ディスビオーシスが関節炎発症のトリガーになりうることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおりに、関節リウマチ患者における腸内細菌叢の乱れを同定することができた。さらに、ヒト腸内細菌叢を定着させた関節炎モデルマウスを用いて、関節炎の発症に腸内細菌叢の乱れが関与することを示すことができ、順調に研究が進んでいるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、ヒト腸内細菌叢の解析をインド人と日本人の比較解析に重点を置き、研究を進めていく。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Lypd8 promotes the segregation of flagellated microbiota and colonic epithelia.2016
Author(s)
Okumura R, Kurakawa T, Nakano T, Kayama H, Kinoshita M, Motoka D, Gotoh K, Kimura T, Kamiyama N, Kusu T, Ueda Y, Wu H, Iijima H, Barman S, Osawwa H, Matsuno H, Nishimura J, Ohba Y, Nakamura S, Iida T, Yamamoto M, Umemoto E, Sano K, and Takeda K
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Journal Title
Nature
Volume: 532
Pages: 117-121
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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