2015 Fiscal Year Research-status Report
MRSAの地域内伝播様式の解析と早期封じ込め対策の確立
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15K15234
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松本 剛 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (70600518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 孝行 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80238815)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MRSA / 感染対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は感染症治療を考える上で重要な薬剤耐性菌であり、MRSAの院内伝播の有無は施設内の感染対策の指標となる。一般的にはMRSAの新規発生が多い場合には院内伝播を疑うが、実際にはそれぞれの患者から検出されたMRSAが水平伝播したものなのか、もともと患者が保菌していたものなのかはわからない。検出されたMRSAが同一由来株なのか否かはMRSAの遺伝子検査を行い、分子疫学解析を行うことが必要である。今回、PCR-based ORF Typing(POT法)を用いることで、長野県内で検出されたMRSAの分子疫学解析を行い、県レベルでのMRSAの伝播様式の解明を行い、今後の感染対策に利用する。 2015年9月1日から9月30日までに長野県内の42施設で検出されたMRSAの保存を各施設で行った。施設により検出菌の数に差があったが合計365株(平均8.8株)を収集し、そのすべての株に対してPOT法を行い、POT値を算出した。POT値から、それぞれの施設で検出されたMRSAが院内で水平伝播をしているのか、由来が別のMRSAが同時期に検出されたのかについての評価を行った。 今後はPOT値から同一由来株と推定されるMRSAについて、それぞれを長野県の地域ごとのマッピングを行い、病院間でのMRSAの伝播経路を特定する。その結果をそれぞれの病院に報告し、長野県内の感染対策に利用する。 また、平成28年度も研究に参加可能な施設を募り、再度MRSAの収集し、検査を行うMRSAの株数を増やす予定ことでより詳細な検討を行う予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの期間で、長野県内で検出されたMRSAの収集を行った。 また収集を行ったMRSAのすべてに対してPOT法による遺伝子解析を終了している。 その結果をもとに、それぞれの施設で検出されたMRSAが院内で水平伝播している可能性があるのかどうかの評価を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
POT法による検査が終了している菌株について、長野県内における伝播経路を特定する。また、さらなるMRSAの収集を行い、それらの菌株に対してPOT法を行う。 2年間に収集したMRSAの遺伝子解析結果から、あらためて長野県内におけるMRSAの伝播経路を検討する。それぞれの施設の地理的条件、患者移動、医療者の移動なども加味し、MRSAの伝播を抑制する方策を立案する。
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Causes of Carryover |
当初計画で見込んでいたよりも実際に収集したMRSAの株数が少なかったため、輸送費や試薬費などに次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
再度、MRSAの収集を行う。平成27年度の結果から収集できるMRSAの株数が予測できるため、収集期間を延長してより多くのMRSAを収集し、検査を行う。次年度使用額は平成28年度請求額と合わせて消耗品費として使用する。
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