2015 Fiscal Year Research-status Report
口腔トリアージ法による周術期口腔管理システムと口腔状態評価の標準化に関する研究
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15K15254
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 准教授 (70267540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市ノ川 義美 帝京大学, 医学部, 准教授 (20203101)
花上 伸明 帝京大学, 医学部, 助教 (40385232)
福井 暁子 東邦大学, 医学部, 助教 (50318284)
落合 亮一 東邦大学, 医学部, 教授 (70146695)
寺田 享志 東邦大学, 医学部, 講師 (70307734)
高橋 謙一郎 東邦大学, 医学部, 助教 (90613604)
宇佐美 晶子 東邦大学, 医学部, 助教 (30439939)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔トリアージ / Oral Assessment / 上部消化管外科手術 / 呼吸器外科手術 / VAP(人工呼吸器関連肺炎) / 口腔管理(Oral Management) / 周術期口腔機能管理 / 周術期管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔トリアージを開始した平成24年度から26年度までのデータを後ろ向き調査により解析した。手術総数は10000件、トリアージ率は予定手術患者の20%であり、口腔管理の必要な患者は予想より少なかった。トリアージ後に口腔外科受診して、かかりつけ歯科医や当院で口腔管理を実施して、手術に臨んだ。 結果では、トリアージ群と非トリアージ群との間に術後合併症に有意な差異を認めなかった。また、術後のVAP(人工呼吸器関連肺炎)の発生頻度がトリアージ前の平成22年度~23年度と比較して劇的に改善した。トリアージ率に関しては、歯科衛生士間の判定の偏差はほとんどなく、現トリアージシステムが衛生士にかかわらず同様な評価を行うことができることが判明した。また、術後合併症の発生率は、口腔管理システム導入前と後では、上部消化管外科手術や呼吸器外科関連で差異が認められており、27~28年度の採取データは、上部消化管外科手術術前に限定して採取することとした。 現在、麻酔科、帝京大学との打ち合わせを終了して、周術期センター、口腔外科外来、手術室に細菌カウンターを設置し、データ採取を開始している。帝京大学は、トリアージ導入が遅れたため、トリアージを行わない対照群として上部消化管外科手術術前のデータを採取している。 口腔乾燥計ムーカスは、日常臨床の配備では不足したため、28年度で追加購入を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔トリアージを開始した平成24年度から26年度までのデータを後ろ向き調査により解析した(実績概要参照)。 27年度は、旧判定基準の再評価を行った;平成27年度の当院および帝京大学医学部における上部消化管外科手術術前の患者データを用いた。トリアージ後、受診する必要のない患者群についても、患者の同意を得て周術期センターにて以下のデータを採取した。特に、口腔衛生環境においては、感染源や歯牙・粘膜表面の汚れに対する視診評価と実際の口腔内浮遊細菌数が合致しているかを調べることで、視診による基準設定を厳密に線引きする事が可能である。 a. 細菌カウンタ(パナソニック社製)による周術期センター受診時ならびに術直前口腔内細菌数測定とトリアージ結果の対比を行う。 b. 口腔乾燥計ムーカスを用いた口腔乾燥の客観的評価とトリアージ時の主観評価の対比・・・口腔環境で次に重要なのは、口腔乾燥状態である。視診とインピーダンス法による口腔乾燥の客観的評価装置ムーカスを用いた。 データを上部消化管外科手術術前の患者に限定しているため、解析のサンプル数がまだ十分といえず、28年度にも、新基準のデータと合わせて採取する予定である(今後の研究方策参照)。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい評価法の設定;栄養管理での簡易指標であるSGAを参考に、主観的口腔衛生・機能評価法(SOHA:Subjective Oral Health & Functional Assessment)を作成し、口腔リスク軽度・中等度・重度にわけ判定し、簡便化を図る。 28年度からの採取データでは、旧基準と新基準の両方でトリアージを行う。その結果を同一個体で比較し、新基準の妥当性を検討する。引き続き27年度からの口腔細菌数測定と口腔乾燥に関してもデータ採取を継続する。
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Causes of Carryover |
細菌カウンター使用の患者群を、統計により有意に口腔管理の成果がでた上部消化管外科手術、呼吸器外科手術群に限定したため、消耗品の消費が少なかった。 投稿予定の論文2本が、年度を越してしまい投稿料が発生しなかった。 口腔乾燥計ムーカスは日常臨床配備のもので実施を試みたが、故障などの理由でやはり不足したため、28年度購入とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細菌カウンター使用の患者群を、28年度も継続採取とした。そのため、消耗品費を繰り越した。 論文投稿を予定通り行い、投稿料・印刷料などに充てる予定である。 口腔乾燥計ムーカスを2台補助的に購入予定である。
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Research Products
(3 results)