2015 Fiscal Year Research-status Report
複数の抑制型受容体を標的とする新規アレルギー治療法の開発
Project/Area Number |
15K15376
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
北浦 次郎 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30282651)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | アレルギー / 抑制型受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マスト細胞に発現する種々の抑制型受容体が認識する脂質レパートリー を同定して、アレルギー反応を抑制する分子基盤を明らかにすることである。さらに、リガンド脂質を含有するvesicleを利用した画期的な治療法開発を目指している。現在、マスト細胞に発現する複数の抑制型受容体のリガンドを同定するためのプローブ(Fc融合タンパク質)やレポーター細胞が作製された。プローブは抑制型受容体の細胞外領域とヒトIgG1のFc領域を融合したタンパク質として作製された。レポーター細胞は、NFATが活性化するとGFPの発現が誘導される細胞にキメラ受容体(抑制型受容体の細胞外・膜貫通領域とヒトCD3zetaの細胞内領域を融合した)を発現させることにより、作製された。 現時点で、抑制型受容体の新規のリガンド分子は同定されていない。抑制型受容体LMIR3のリガンドとして脂質セラミドが、抑制型受容体LMIR1のリガンドとして脂質フォスファチジルセリンが、すでに同定されているので、現在、種々の脂質に注目してリガンドスクリーニングを行っている。脂質をプレートに固相化して、プローブが結合するかどうかをELISAにより評価した。また、脂質を固相化したプレート上でレポーター細胞を培養してGFPの発現誘導の有無をFACSにより解析した。複数のリガンド候補脂質が同定されているが、IgEを介するマスト細胞の活性化を抑制する作用を有するかについては、現時点で不明であり検討・確認中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度には順天堂大学内における当研究室・動物飼育室の移転があり、一時的に研究を停止せざるを得なかった。そのため、当初の予定よりやや研究が遅れているが、現在、研究は再開しており、今後の計画は順調に遂行されると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
マスト細胞に発現する種々の抑制型受容体のリガンドを同定するためのプローブ(Fc癒合タンパク質)とレポーター細胞を作成する。その中で、特に、脂質を認識する抑制型受容体を明らかにして、そのリガンド脂質のレパートリーを同定する。さらに、複数のリガンド脂質をvesicle化して投与することにより、IgEを介するマスト細胞の活性化がin vitro及びin vivoで抑制されるかを評価する。
|
Causes of Carryover |
平成27年度には、当該大学内で当研究室と動物施設の移転があり、一時的に研究が停止したため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は物品費として使用し、本年度研究費は計画通り(物品費、旅費、その他)として使用する。
|
-
-
[Journal Article] The Transcription Factor Ehf Is Involved in TGF-β-Induced Suppression of FcεRI and c-Kit Expression and FcεRI-Mediated Activation in Mast Cells2015
Author(s)
Yamazaki S, Nakano N, Honjo A, Hara M, Maeda K, Nishiyama C, Kitaura J, Ohtsuka Y, Okumura K, Ogawa H, Shimizu T
-
Journal Title
J Immunol
Volume: 195
Pages: 3427-3425
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-