2016 Fiscal Year Annual Research Report
Electrochemical concentration of radiometals in the microspace and its application to labeling of peptid
Project/Area Number |
15K15444
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 名誉教授 (60143038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和弘 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), その他部局等, 研究員 (20370257)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射性金属核種 / 電気化学的濃縮 / ペプチド・抗体標識 / 電極反応 / 標識技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続きフッ素-18標識のフッ化アルミニウム([18F]AlF)イオンの[18F]フッ素イオン濃縮チップ内での生成と効率的な回収法の検討を進めた。電極間の電圧を精密に制御して回収効率の変化を求めたが、最適な条件を見つけることはできなかった。炭素電極に付着した[18F]フッ素イオンを効率的に引き出すには、電圧や電流よりは炭素電極表面の状態を良好に保つことが重要であり、同一チップを繰り返し使用することで表面の状態が変化するため、回収率が変動すると推測された。 気体と液体のターゲット照射専用のHM-12サイクロトロンで固体ターゲットを照射して遠隔的に回収できる照射容器の基本設計に基づき、今年度は詳細図面を作製し、その試作品を完成させた。照射サイト装着に問題がないことと遠隔的に金ターゲットディスクが回収できることを確認した。しかし、金ディスク表面への64Niの電着と脱着条件を文献的に検討したが、予算的な理由で64Niの購入ができず、ホットの実験に進むことを断念した。 ペプチド・抗体等の標識に応用することを念頭に、64Cuの配位子であるDOTAを有するDOTA-Transtuzumabの調製とその標識反応を検討した。DOTA-NHSとTranstuzumabの最適な比率を求め1分子当たり8-10個のDOTAを導入することができた。この前駆体(抗体)と64Cuの最適な割合を求めて良好な比放射能で目的物を得ることができた。また、HER2に対する親和性の指標であるKd値を求めた。 本研究は放射性金属核種が極微量である点に注目した挑戦的な研究であったが、予想外の困難に直面し当初の目的を達成することはできなかった。実用的なペプチド・抗体標識法を開発するためには、本研究で示した濃縮法へのアプローチは実現可能であり、画期的な標識法の開発につながるものと今後も検討が継続されることを期待する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Continuous-flow synthesis of N-succinimidyl 4-[18F]fluorobenzoate using a single microfluidic chip.2016
Author(s)
Kimura H., Tomatsu K., Saiki H., Arimitsu K., Ono M., Kawashima H., Iwata R., Nakanishi H., Ozeki E., Kuge Y., Saji H.
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Journal Title
Plos One
Volume: 11
Pages: e0159303
DOI
Peer Reviewed
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