2015 Fiscal Year Research-status Report
長鎖ノンコーディングRNAエピジェネテッィク制御機構の解明とその癌治療への応用
Project/Area Number |
15K15475
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
工藤 敏啓 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (20593859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 尚弘 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50588118)
今野 雅允 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (80618207)
川本 弘一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教(常勤) (30432470)
小関 準 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教(常勤) (20616669)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 癌 / 核酸 / 臨床 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌進展において、長鎖ノンコーディングRNA (long non-coding RNA、以下lncRNA)が重要な役割を果たすことが知られている。本プロジェクトでは、lncRNAまたはその結合タンパクに起こるメチル化を始めとするエピジェネティックな修飾に着目し、lncRNAの癌進展への関与をエピゲノム修飾の観点から明らかにすることを目指し、研究を進めている。これまでの研究結果から、膵癌細胞株において、各種RNAメチル化酵素の発現変化により、癌細胞株の造腫瘍性を含む悪性形質が大きく変化することが明らかとなった。今回、lncRNA に対するエピゲノム修飾のプロファイリングには、以下の2つの技術を用いた。 (1)メチル化抗体(メチル化シトシン、アデニン抗体)を用いた RNA 免疫沈降サンプルを用いた解析 (2) lncRNA 結合タンパクでのRNA免疫沈降後サンプルを用いた解析である。これらを組み合わせることにより、多彩なバリエーションが想定されるlncRNA メチル化を網羅的により高い精度で検出することに成功した。今後、既知・未知、 癌部・非癌部の lncRNA の完全なメチル化のプロファイリングと、その修飾塩基や転写産物上の部位的特異性を明らかにし、メチル化がlncRNA の機能発現に与える影響を系統的に理解する事、そしてそれを癌の診断に応用することを目指している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究から、膵癌を始めとする難治癌の癌細胞株を用いたIn vitroの実験で、メチル化酵素のノックダウンにより特定の遺伝子群やノンコーディングRNAの安定性が著しく変化し、細胞の機能変化に関連することが明らかとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでで得られた所見のin vivoならびに臨床検体でのPOC (proof of concept)取得を目指す。消化器癌臨床検体とそれに対応する正常組織において RNA免疫沈降によって抽出したRNAのメチル化状態を網羅的に解析することで、正常部と癌部におけるエピゲノム修飾の違い、また RNAメチル化と臨床病理学的因子、予後との関連を調べる。腫瘍以外にも時系列での血液サンプル(手術前後・化学療法施行前後など)の解析も可能である。これらのデータ蓄積により特定のlncRNAのメチル化パターンと、発癌・癌進展との関連が明らかとなれば、これを癌の早期診断や、化学療法の効果判定のための有用なバイオマーカーとして活用することができる。
|
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Combination antiemetic therapy with aprepitant/fosaprepitant in patients with colorectal cancer receiving oxaliplatin-based chemotherapy (SENRI trial): a multicentre, randomised, controlled phase 3 trial.2015
Author(s)
Nishimura, J., Satoh, T., Fukunaga, M., Takemoto, H., Nakata, K., Ide, Y., Fukuzaki, T., Kudo, T., Miyake, Y., Yasui, M., Morita, S., Sakai, D., Uemura, M., Hata, T., Takemasa, I., Mizushima, T., Ohno, Y., Yamamoto, H., Sekimoto, M., Nezu, R., Doki, Y., Mori, M.
-
Journal Title
Eur J Cancer.
Volume: 51
Pages: 1274-1282
DOI
Peer Reviewed