2017 Fiscal Year Annual Research Report
Searching the potential factor(s) of regulating endogenous regeneration in infarcted heart of mice
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15K15509
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心臓再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続いて、本年度はマウス梗塞心筋モデルを用いて、手術後1,3,7,14日目に心臓を摘出し、梗塞領域、境界領域、および遠隔正常心筋組織における炎症性サイトカイン、細胞外マトリックスおよび接着分子の発現変化をPCR array 解析により経時的に詳しく調べた。意外なことに、遠隔正常心筋組織にも多くの因子の発現変化が認められた。そのため、PCR array 解析データは同じマウスの遠隔正常心筋組織の発現レベルに補正し、梗塞領域と境界領域に特異的な変化を示す因子を見出すこととした。その結果、梗塞心筋組織内にはCcl3, Ccl4, Ccl5, Cxcl13, Il1b, Il6など多く炎症性関連性サイトカインやケモカインの上昇が手術後の14日までに継続的な上昇を認められた。一方、境界領域にはCdh1, Ingae, Ingax, Ingb4, Cntn1, Emilin1などの細胞外マトリックスおよび接着分子が梗塞14日目に特異的に低下していたことを明らかにした。これら因子の発現変化は免疫組織学染色法で確認した。しかし、in vitro実験でこれら因子が心筋細胞、内皮細胞、心筋幹細胞の生存や増殖に与える影響を調べたところ、安定したデータが得られず、それぞれの因子が内因性心筋再生に対する作用は不明である。 以上の結果から、様々な炎症性サイトカインや細胞外基質分子は内因性心筋再生に寄与している可能性が示唆された。今後は、さらなるin vitroおよびin vivo実験により内因性心筋再生を誘導する因子の確認を行い、心筋再生ニッチの全容解明を進んでいく必要がある。
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