2015 Fiscal Year Research-status Report
体性多能性幹細胞(Muse細胞)による虚血・再灌流性肺傷害の治療
Project/Area Number |
15K15514
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90323104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 龍秋 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (70636034)
星川 康 東北大学, 大学病院, 講師 (90333814)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺移植 / 虚血・再灌流傷害 / 間葉系幹細胞 / Muse細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット肺虚血・再灌流障害モデルを用いて、多能性幹細胞であるMuse細胞が、急性期・慢性期に肺保護効果を発揮するかどうかを検討する事を本研究の目的とした。Muse細胞には、抗炎症性物質などの液性因子分泌による効果、さらに肺血管内皮細胞や肺胞上皮細胞などへの分化という二つの側面からの効果を期待した。まず、ラット左肺の肺門クリッピングモデルを作成し、左肺に2時間の虚血を加える事により、再灌流後に顕著な肺水腫が生じ、正常群と比較して対側肺動脈遮断時の動脈血酸素分圧ならびに左肺門遮断時の動的肺コンプライアンスが有意に低下する事を確認した。組織学的にも、虚血・再灌流後には顕著な肺水腫の所見が見られた。実験群として、Muse細胞投与群(再灌流直後に肺動脈から注入)、Mesenchymal stem cell (MSC)投与群(同様に注入)、PBS投与群(同様に注入)の3群を作成し、再灌流後3日目、5日目に右肺動脈遮断後の動脈血酸素分圧、右肺門遮断後の左肺動的コンプライアンス、病理組織像を検討した。Muse細胞投与群では、3日目、5日目ともに、動脈血酸素分圧、左肺動的コンプランスが、他の2群と比較して有意に良好な値であった。また、Muse細胞投与群では、MSC投与群に比べ、単位体積あたり、より多くの注入細胞が左肺に集積していた。これらの機序を検索するために、左肺における抗炎症性物質、すなわちPGE2、IL-10などの発現量をWestern blotting法で検索したところ、Muse群では他の2群に比べ、有意にそれらの発現量が多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
虚血・再灌流性肺傷害に対する、Muse細胞の急性期の効果についてデータの集積がで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Muse細胞の効果を病理学的に検討するとともに、肺保護効果の機序につき検討していく予定である。また、慢性期に肺障害を軽減するかどうかについても検討していきたい。
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Causes of Carryover |
予算は、ほぼ全額を支出し、端数にあたる1001円のみ次年度へ繰り越す事となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費などに充当する。
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