2017 Fiscal Year Annual Research Report
Role of orexinergic neurons in sepsis
Project/Area Number |
15K15561
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
廣田 和美 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20238413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛方 哲也 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80250603)
橋場 英二 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (10374844)
丹羽 英智 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (20374845)
斎藤 淳一 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (90647413)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 敗血症 / オレキシン / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:オレキシン(OX)神経は敗血症(SP)で変性する。このため、OX神経がSPでの病態生理に関与するか、Sprague-Dawley(SD)ラットとOX神経が排除されたOX/ataxin-3 transgenicラット(TG)を用いた動物実験とSPによるICU入室患者での臨床研究の両面で検討した。結果:動物実験では、予備実験の結果、生存率を50-60%となるSP毒素(Lipopolysaccharides: LPS)は10mg/kgと確定し、以後この投薬量を用いた。SD(n=26)とTGラット(n=14)並びに対照群(SDラット生食投与群[C、n=7])でのLPS投与3日後の生存率はC群100%、SD群61.5%、TG群21.4%であり、TG群は有意に生存率が低かった(p<0.05)。また、生存ラット脳内OXA濃度(pg/mg tissue)[C群、SD群、TG群]は、各々、橋[4.10+/-1.21、2.92+/-0.38*、0.62+/-0.25*#]、海馬[1.72+/-1.01、1.79+/-0.37、0.82+/-0.12*#]、視床下部[6.15+/-2.85、6.11+/-1.67、1.24+/-0.47*#]、大脳皮質[1.13+/-0.41、1.12+/-0.18、0.39+/-0.12*#](*: p<0.05 vs C、#: p<0.05 vs SD)。橋でのOXA濃度が低い群程、生存率は低かった(r=0.936)。臨床研究でのSP患者(n=26)並びに非SP術後患者(NSP、n=31)と健康成人ボランティア(C、n=6)の血中OXA濃度では、SP群のICU入室時、NSP群の麻酔導入前、C群の血中OXA濃度 (ng/ml)は、各々0.098 [0.053-0.13]、0.090[0.060-0.152]、0.059 [0.048-0.086]で有意差を認ず、重症度を示すAPATCH2スコアとも相関しなかった。血中OXA濃度は集中治療に反応しなかった。結語:動物実験では、敗血症とOX神経系との関連が示唆されたが、臨床研究の結果はそれを支持しなかった。
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Research Products
(3 results)