2015 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームを用いた新たな頭頸部癌のバイオマーカーの開発
Project/Area Number |
15K15617
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丹生 健一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20251283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 直樹 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40343264)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エクソソーム / 頭頸部癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の実験を行うために倫理委員会に計画を申請し、実験設備を整備した。 1)頭頸部癌腫瘍組織の採取:我々の施設で手術治療を受ける頭頸部癌患者を対象とする。手術において腫瘍が摘出されると、すぐに病理標本とは別に切り出して氷上で検体を実験室へ運搬する。消化酵素を含む培地で約24時間処理後に、プレートへ播種する。一晩100,000 xgで超遠心分離することによりエクソソームを除去した血清を培地に加え、48時間培養した後に培養上清を採取し、エクソソームの単離過程へ移る。培養上清内には、腫瘍細胞のみから分泌されたエクソソームが含まれており、血液、唾液、鼻汁内、それぞれの体液中のエクソソームの構成と比較する。 2)エクソソーム単離:300xg,および2000xgの低速で二度遠心分離し上清を採取する。その後0.80μmのフィルターで濾過し他の小胞を除去する。さらに80分間100,000xgの超遠心分離を行い、沈殿したペレットからエクソソームを単離する。単離したエクソソームはナノサイト(カンタムデザイン社)等を用いて、小胞のサイズや濃度を確認する。 3)miRNAの抽出とシーケンス:単離したエクソソームからQUIAGEN社のmiRNeasy mini kit等を用いてmiRNAの抽出を行う。抽出したmiRNAはBioanalyzer (Agilent社) 等を用い、RNAの品質評価を行う。得られたmiRNAは次世代シーケンサーを用いてRNAシーケンスを行い網羅的な解析を行う。 4)統計解析:得られたRNA情報は、それぞれの組織型や病期といった臨床情報に加え、Ki67など病理学的な悪性度などの情報とも照合し統計学的な処理を行う。並行して、健常人または良性腫瘍で手術を受けた患者から得た検体をコントロールとして用いた解析も行う。それぞれの組織型や予後に関わるマーカーとなり得るmiRNA発現プロファイルを特定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理委員会の承認を得ることに時間が要してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)頭頸部癌腫瘍組織の採取:我々の施設で手術治療を受ける頭頸部癌患者を対象とする。手術において腫瘍が摘出されると、すぐに病理標本とは別に切り出して氷上で検体を実験室へ運搬する。消化酵素を含む培地で約24時間処理後に、プレートへ播種する。一晩100,000 xgで超遠心分離することによりエクソソームを除去した血清を培地に加え、48時間培養した後に培養上清を採取し、エクソソームの単離過程へ移る。培養上清内には、腫瘍細胞のみから分泌されたエクソソームが含まれており、血液、唾液、鼻汁内、それぞれの体液中のエクソソームの構成と比較する。 2)エクソソーム単離:300xg,および2000xgの低速で二度遠心分離し上清を採取する。その後0.80μmのフィルターで濾過し他の小胞を除去する。さらに80分間100,000xgの超遠心分離を行い、沈殿したペレットからエクソソームを単離する。単離したエクソソームはナノサイト(カンタムデザイン社)等を用いて、小胞のサイズや濃度を確認する。 3)miRNAの抽出:単離したエクソソームからQUIAGEN社のmiRNeasy mini kit等を用いてmiRNAの抽出を行う。抽出したmiRNAはBioanalyzer (Agilent社) 等を用い、RNAの品質評価を行う。 4)RNAシーケンス:得られたmiRNAは次世代シーケンサーを用いてRNAシーケンスを行い網羅的な解析を行う。 5)統計解析:得られたRNA情報は、それぞれの組織型や病期といった臨床情報に加え、Ki67など病理学的な悪性度などの情報とも照合し統計学的な処理を行う。並行して、健常人または良性腫瘍で手術を受けた患者から得た検体をコントロールとして用いた解析も行う。それぞれの組織型や予後に関わるマーカーとなり得るmiRNA発現プロファイルを特定する。
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