2017 Fiscal Year Annual Research Report
Regenerating lamina cribrosa as a novel treatment for glaucoma
Project/Area Number |
15K15629
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大野 京子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30262174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相原 一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80222462)
吉田 武史 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (30451941)
諸星 計 東京医科歯科大学, 医学部, 非常勤講師 (60598415)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 病的近視 / 緑内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
緑内障は我が国の失明原因の首位であるが、現行の治療では視覚障害の進行を完全に止めることが難しい。緑内障における神経軸索の障害は、強膜篩状板の部位に最初に生じると報告されており、視神経を支える篩状板の構造破綻が緑内障のfirst insultとされている。 そこで本研究では、これまで緑内障における治療の標的組織として考えられてこなかった篩状板に着目し、間葉系幹細胞などを用いて視神経鞘周囲の強膜から篩状板を再生・肥厚させることにより、それに引き続く神経軸索の障害が抑制できるかを明らかにする。その成果は、篩状板再生という、緑内障に対する全く新しい治療を確立しようとするものであり、first insultを阻止することにより新たな根本治療に結びつく可能性が期待できる。 まず視神経障害を伴う近視患者を対象に、swept-source型光干渉断層計検査を施行し、視神経および周囲組織の構造異常を検討した。その結果、近視患者では高率に視神経乳頭内および周囲コーヌス内に強膜の全層の断裂がみられた。乳頭内では篩状板欠損に該当する変化が高率にみられた。さらに、視神経周囲くも膜下腔の拡大がみられた。 つぎにラット近視モデルにおいて、視神経周囲に沿ってヒト由来の線維芽細胞を注入した。しかし注入細胞がくも膜下腔に迷入したと考えられる死亡が多くみられたため、注入細胞数や液量を減らして注入を行った。その結果、1週間後の時点で移植細胞の残存がみられたが、強膜コラーゲンの再生および篩状板の再生に至る変化には及ばなかった。
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Research Products
(8 results)