2016 Fiscal Year Annual Research Report
Vertical Bone Augmentation Using iPS Cell Constructs with CAD/CAM Dome
Project/Area Number |
15K15705
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢谷 博文 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (80174530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江草 宏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30379078)
萱島 浩輝 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (50632121)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオロジー / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
補綴・インプラント治療において,広範囲かつ垂直的な骨欠損部位に対して,安全かつ確実に欠損骨を再生する「垂直的骨造成技術」が求められている.本研究の目的は,ケミカルバイオロジーおよびデジタルデザインによる立体的なスキャフォールドの設計によって,iPS細胞とインプラント体間におけるオッセオインテグレーションの獲得を可能とする垂直的骨造成技術を開発することである.平成27年度は,これまで行ってきたケミカルバイオロジーのアプロ―チによる,独自に構築した小分子化合物ライブラリースクリーニングの結果から,間葉系幹細胞の骨形成促進作用を有する化合物としてPKC阻害薬が検出された.このPKC阻害薬は,iPS細胞の骨芽細胞への分化を促進することが明らかとなった.さらに,垂直的骨造成モデルを確立するため,デジタルデンティストリーのアプローチから,CAD/CAMを用いて,移植および骨造成に適したドーム型チタンモールドを作成した. 平成28年度は,これらの結果をふまえて動物実験に移行し,これまでに確立しているiPS細胞の骨芽細胞分化誘導方法に,PKC阻害薬を加えて分化誘導を行ったiPS細胞凝集体をマウス皮下に移植した結果,腫瘍形成を確認した.しかし,通常誘導と比較して,腫瘍の大きさは小さくなったことから,プロトコールの改良を行うことで,自己由来細胞であるiPS細胞を用いた新たな骨造成方法となる可能性が示唆された.いっぽう,作製した垂直的骨造成モールドは,既存の骨補填材の経時的評価方法の確立としても応用できる可能性があり,今後の研究の発展が期待される.
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