2015 Fiscal Year Research-status Report
LED光を用いた頭頸部癌化学放射線療法に伴う口腔粘膜炎の新規治療法の開発
Project/Area Number |
15K15738
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
古森 孝英 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50251294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 泰明 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10397812)
南川 勉 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10397804)
木本 明 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (30597167)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | LED / LLLT / 口腔粘膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における頭頸部癌の化学放射線療法に伴う口腔粘膜炎の治療は、現在のところ機械的・化学的口腔清掃が中心となっているものの、国外においては以前より「低反応レベルレーザー治療(Low reactive Level Laser Therapy: LLLT)」が行われ、その文献的、学術的な有用性もシステマティックに検証されている。 平成24年4月より周術期の口腔ケアが保険適応となり、がん対策推進基本法の重点項目として口腔ケアの推進が盛り込まれたが、口腔粘膜炎対策については国外におけるLLLTの現状が一部で触れられているのみで、我が国でもLLLTに関する研究への積極的な取組みが急務となっている。近年は、レーザー以外にLED(light-emitting diode: 発光ダイオード)などの光源も含めてLLLTを捉え、「Low reactive Level Light Therapy: 低反応レベル光治療」として認知されてきたが、本研究課題の遂行によりLEDの口腔粘膜炎への有効性が見出せるならば学術的、臨床的意義は深く、レーザーよりも安価で操作性のよいLED光を用いた口腔粘膜炎の治療機器開発の可能性が広がることとなる。 研究実施の1年目である当該年度は、まず代表的な培養口腔内常在菌数種類に対して異なる波長のLED光をそれぞれ別個に照射し、生存細菌数などを非照射群(コントロール群)も含めて比較、LED光照射の影響を各波長間で検討した。 また、上記口腔内常在菌に対するLED照射実験に準じて、培養ヒト正常口腔粘膜細胞および培養口腔扁平上皮癌由来細胞株を用いての異なる波長のLED光照射実験も行い、細胞増殖活性に与える影響などを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目として予定していた培養口腔内常在菌および培養口腔癌由来の細胞株を用いての波長の異なるLED光照射実験を実施し、照射・非照射でそれぞれ得られた結果の比較から照射群における一定の知見を見出すことが出来た。これについては、以前に我々が論文として報告した培養骨芽細胞系細胞株に対するLED光照射実験で認めた細胞の増殖活性、分化活性のデータとの比較も行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目で得られた結果の知見・意義をまとめ、それらをもとに2年目の課題として口腔粘膜炎モデルラットを作製し、LED光の照射実験を進める予定である。具体的には、実験に供するモデルラットの炎症誘発部位で、LED光の照射効果の判定をびらんの治癒過程、期間などを中心に肉眼的、病理組織学的観察により評価・検討したい。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りの支出であったが、結果的に少額の繰越金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費をはじめとして研究成果を発表するための旅費、そしてまた論文作成・投稿費などの計上も考えられる年となることが予想され、比較的少額ではあるがこれらの使用へ大切に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)