2015 Fiscal Year Research-status Report
SPARCを介する細胞競合制御による口腔扁平上皮癌の予防に向けての基礎的研究
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15K15743
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00200824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹部 衣里 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (40363288)
北村 直也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (70351921)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | SPARC / 細胞競合 / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】近年、細胞間コミュニケーションを介する細胞の勝ち/負け(細胞競合)の分子機構が明らかにされつつあり、細胞競合による変異細胞排除の破綻が口腔扁平上皮癌の発生に繋がっている可能性が考えられる。そこで、本研究では口腔扁平上皮癌の発生における細胞競合の関わりの中で、分泌性蛋白であるSPARCがどのような機構を介して発癌の過程に寄与しているのかを明らかにすることにした。 【方法】これまでに我々は、SPARCが白板症症例において異型度が強くなるにつれて陽性率が高くなり、早期浸潤癌では腫瘍細胞の多くに局在が認められることを報告してきた。そこで本年度は不死化口腔粘膜上皮細胞(RT7細胞)にSPARCを強発現させ癌の形質を獲得するかどうか、形態変化、増殖能(MTTアッセイ)、遊走能(Wound healing assay)、浸潤能(Invasion chamber assay)、アポトーシス誘導能(AnnexinV/PI染色によるフローサイトメトリー)への影響について解析を行った。 【結果】RT-7細胞にSPARC発現ベクターを導入したところ、細胞の形態、増殖能、遊走能、浸潤能およびアポトーシス誘導能にはほとんど影響は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者検体を用いた実験に着手できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
高知大学医学部倫理委員会に申請、承認後、口腔扁平上皮癌の前癌病変である口腔扁平苔癬、白板症症例および口腔扁平上皮癌および健常者の唾液および血液を回収し、それぞれのSPARC産生レベルを比較検討する。
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