2015 Fiscal Year Research-status Report
リウマチ併発歯周炎患者のJAK分子標的・抗菌療法と機能検証
Project/Area Number |
15K15764
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉江 弘正 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (00215344)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯周炎 / 関節リウマチ / JAK分子標的 / 抗菌療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は第1段階として、インフォームド・コンセントが得られた関節リウマチ患者でJAK標的治療予定無く歯周抗菌治療予定の26名(JAK[-]歯周抗菌[+]治療群)を対象に、歯周検査、リウマチ検査、ならびに血液採取を行った。 1)歯周治療前後での血清プロテオーム解析を行った結果、二次元電気泳動ゲル上で合計535蛋白スポットが検出された。そのうち、歯周治療後に有意に発現強度が増加したのは10スポット、減少したのは6スポットであった。MS/MSイオンサーチ分析法による質量分析を実施後、NCBInrデータベースを参照して蛋白同定した結果、増加した血清蛋白はすべてhaptoglobinで、減少した血清蛋白は3種(apolipoprotein A1, Angiotensinogen, hemopexin)であった。これらは血管機能・代謝に関連する血清蛋白であり、得られた結果から、歯周抗菌治療による血管生理機能の改善の可能性が示唆された。 2)歯周治療前後でのPorphyromonas gingivalis peptidylarginie deiminase (PPAD)および抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)に対する血清抗体価を測定・比較した結果、歯周組織の炎症状態や関節リウマチ活動度の臨床的改善を認めたが、PPADおよびCCPに対する血清抗体価抗体に有意な変動は認められなかった。また、歯肉溝浸出液中でPPADに対する抗体は検出できなかった。対象患者の歯周組織の炎症が軽度であり、このことがシトルリン化蛋白発現に影響した可能性が考えられる。今後、さらに症例数を追加して検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画で必要とされた関節リウマチ患者の臨床検体を半数程度確保できたため。また、P. gingivalis PADおよび抗環状シトルリン化ペプチドに対する血清抗体価測定や血清蛋白の網羅的解析が順調に実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、チロシンキナーゼ(JAK)標的治療の関節リウマチ患者の確保に努める必要があるが、第一選択の腫瘍壊死因子標的治療やインターロイキン6標的治療に対して低応答性であることが前提条件であるため、症例確保に時間がかかることが予想される。
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Causes of Carryover |
当初予定していた症例数に至らず、そのため解析経費が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実施出来なかった症例数を加算して使用計画をたて、解析を実施する予定である。そのため、予定どうりの経費執行ができる。
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Research Products
(10 results)