2015 Fiscal Year Research-status Report
プロバイオティクスを利用した歯周病原細菌によるバクテレミア予防のための基礎的研究
Project/Area Number |
15K15766
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
栗原 英見 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (40161765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 浩樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (10228140)
應原 一久 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (80550425)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯周炎 / バクテレミア / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎やう蝕は口腔内の細菌による感染症である。う蝕は進行すると歯髄に細菌が感染し、全身に感染した細菌が移行する。また歯周炎は細菌により微小構造が破壊され、炎症を伴うことで局所の血管が拡張し、細菌が血液に侵入する状態『バクテレミア(菌血症)』を呈する。このバクテレミアを予防するための方法は、ブラッシングによる機械的プラーク除去、洗口剤などによる化学的な除去である。しかし、これらは非特異的で一時的な方法であるため、継続して行わなければ一定の効果は得られない(J Periodontol. 2007 Apr;78(4):654-60.)。さらに口腔内由来細菌の感染(バクテリミア)は様々な全身疾患の原因となることも知られている。また、バクテリミアに続く全身の機能障害が原因の2次的な機械的プラーク不良をきたす(Sci Rep. 2014 May 6;4:4828.)。本研究課題では生物学的プラークコントロール(プロバイオティクス)の有効性をメタゲノム解析を用いて検討する。さらに乳酸菌プロバイオティクスによる細菌叢の変遷、特に歯周病原細菌P. gingivalis抑制をターゲットに研究を行う。本年度は動物実験モデルを用いて実験系の確立と、腸内細菌叢のターゲット細菌種の同定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究室で確立している、関節リウマチ自然発症マウスSKGマウスに歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisを口腔経由で感染させ、関節リウマチが早期に増悪することが明らかとなっているが、その腸内を、解剖学的、組織学的に解析した。また、次世代シークエンサーで細菌叢のメタゲノム解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ターゲット細菌の変遷をプロバイオティクス前後で比較する。腸内細菌はお互いに相補的な役割を担っており、プロバイオティクス以外にも、健康マウスの口腔内細菌、腸内細菌をマウス腸管内に移植することでの関節リウマチ発症への市況も検討する。また細菌学的アプローチだけではなく、腸管表層の構造、特にフコースなどの糖鎖構造と自然リンパ球の関係についても検討する。
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Causes of Carryover |
メタゲノム解析の費用として、計上していたが、次年度に行うこととしたため翌年度分として請求した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
メタゲノム解析の試薬代として使用予定である。
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