2016 Fiscal Year Research-status Report
感覚を刺激する環境調整が誘導イメージ法への導入を促す効果に関する研究
Project/Area Number |
15K15783
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柳 奈津子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (00292615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小板橋 喜久代 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (80100600)
定方 美恵子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00179532)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 誘導イメージ法 / リラクセーション / 感覚環境調整 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
誘導イメージ法は、効果が検証されているリラクセーション法のひとつであるが、上手くイメージできなくて難しく感じたなどの意見がある。そこで、事前にイメージする場面に関連した映像を視聴することなど、環境を整えることによってイメージをしやすくする工夫をし、その効果を検証することが本研究の目的である。 誘導イメージ法の体験が初めてである者を対象とするため、学生や医療従事者ではなく一般企業で働く視聴覚障害のない20~65歳の労働者を対象とした。対象者は無作為に実験群、対照群に振り分けた。実験群に対しては、誘導イメージ法の実施前に自然環境映像の視聴など感覚器に働きかけるような環境調整を行った。対照群に対しては、誘導イメージ法の実施前に介入はなく安静のみとした。両群に対し、前年度の検討をふまえて作成した音声ガイドを用いて誘導イメージ法を実施した。音声ガイドは短時間で実施できるよう10分とし、内容は自然の風景をイメージするようなものとした。イメージする場面を限定することで、ゆっくりと落ち着いてイメージできるように配慮した。評価指標は、生理的指標として血圧、心拍変動、唾液中コルチゾール濃度、主観的指標として気分尺度、イメージのしやすさ、体験後の感想とし、実施前および実施後に測定した。 両群ともに、血圧が低下するなどリラックスしている反応が認められた。また、音声ガイドの内容に関連した場面をイメージしており、主観的にも気分が良い、眠くなったなどの反応があった。対照群にのみ、難しかった、集中できなかったという意見が確認された。継続して実施し対象者数を増やし最終評価に繋げていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に作成した誘導イメージ法の音声ガイドは、修正して再度作成した。また、感覚器に働きかけるような環境調整の方法についても再度検討した。対象者について、当初は学生を予定していたが一般労働者に変更したため、事業所への依頼や説明等が必要となったため測定を開始するまでに多少の時間を要した。しかしながら、今年度予定していた内容は、概ね実施できたと評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者数について再検討した結果、当初計画していた対象者数では十分ではなく、有用な結果を得るために対象者数を増加させる必要がある。そのため、今後も引き続き測定し対象者数を増やしていく。また、継続的な評価もすすめる。
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Causes of Carryover |
対象者数を当初の予定より増やしたことが理由としてあげられる。唾液中コルチゾール濃度の測定は検査会社に委託しており、数回に分けて検査を依頼するが、数本では検査ができないため、数十本程度のまとった本数が必要である。そのため、今年度経費の残額では、検査に依頼することができなかった検体があり、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の経費により、採取済みの検体を速やかに検査に依頼する。
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