2017 Fiscal Year Research-status Report
自己実現理論を応用した長期固定型実習導入に向けた調査及び実習方法の構築
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15K15787
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
大原 良子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (40325163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安東 由佳子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (50314745)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護学実習 / 助産学実習 / 自己実現理論 / 長期固定型実習 |
Outline of Annual Research Achievements |
McCoy M A. , Levett-Jones T, Pitt V, (2013) が、マズローの自己実現理論をもとに作成した看護学実習での看護学生の専門職意識の向上心、臨床適応能力の向上心、実習において修得した実践力についての自己意識を測定することを目的に作成した「the Ascent to Competence Scale」を許可を得て、翻訳し「日本語版看護臨地実習での実践力上昇意識尺度」を作成した。この日本語版を使用して、日本の看護大学生300名と比較対象として助産学生90名からデータを収集することができた。また、現在の各論実習のように2週間程度で実習の領域毎の実習場を移動することと1か所に1か月以上固定して看護学の実践力を向上させる実習を導入することについての意見も同時に求めた。 また、長期固定型実習を行っている豪州フリンダース大学看護助産学部に視察を行い、担当の教員にインタビューを行った。 看護学生と助産学生の両方のデータを使用して尺度の因子分析を行ったが、因子が抽出されず、看護学生のみで因子分析を行うことで因子は抽出されたが、マズローの理論に沿った安全欲求、社会的欲求、自尊欲求、自己実現欲求には分類されなかった。これは、オリジナルの尺度でも同様の結果(McCoyら)であった。現在も理論、項目、因子の概念などを考慮しながら、繰り返し分析を行っている。信頼性・妥当性の確認を行いながら最終的な尺度の作成を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尺度のコントロール群である助産学生のデータが少なく、1年延長してデータ収集を行ったがそれでも90名分程度しか収集できなかった。収集したデータを看護学生、助産学生間で比較しても、看護学生で高い得点の項目が必ずしも助産学生で高いとは言えず、同じ実習でも看護学生と助産学生の認識は全く違う事が分かり、分析の手法を様々試して尺度の開発に取り組んでいる。また、1か所の実習期間の長さと実習による実践力への自信との関連などは、助産学生が1か所での実習期間が長いため、看護学生と助産学生の結果と比較することで得られると当初予測したが、実習の内容や目的が違うため、一概に言えないことが示唆された。このため、海外の研究の結果を比較し考察するなど、分析・考察の方法を色々と模索している状況であるが、次年度は、成果の発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
看護学生から得られたそれぞれの項目の平均点を属性(性別、学年など)で比較し、口頭発表及び一部投稿を行ったが、最終的な信頼性妥当性の得られた尺度はまだ分析を繰り返している途中であり、最終的な尺度を投稿する(英文、投稿先未定)予定である。加えて、助産学生の結果も看護学生と比較して、母性衛生学会誌に投稿する予定である。また、尺度作成だけでなく、長期固定型実習を日本に取り入れる事についての学生意見についても分析を行い、成果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
年度内に英語論文の投稿を予定していたが、分析がうまく進まず論文作成を終えていない。次年度、英語論文の作成と投稿を行う。
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