2015 Fiscal Year Research-status Report
ハンセン病と戦争体験の英知を活かした被災コミュニティーレジリエンスモデルの構築
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15K15797
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
近藤 真紀子 (前田真紀子) 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (70243516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 知子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00321258)
吉本 知恵 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (10321259)
齋藤 信也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (10335599)
秋元 典子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (90290478)
本村 昌文 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80322973)
大浦 まり子 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (40321260)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 災害 / ハンセン病 / 戦争 / 歴史 / モデル生成 / レジリエンス / コミュニティー |
Outline of Annual Research Achievements |
ハンセン病は強制隔離・強制労働など負の遺産として語られることが多いが、本研究では、後期高齢者となったハンセン病回復者のもつ英知を、今後起こり得る南海トラフ巨大地震での復興に生かすことを試みる。まず、ハンセン病患者が、強制隔離時代の貧困生活をどの様に過ごしたかについての語りより、①自給自足の生活防衛、②苦境を乗り切る人間的逞しさ、③難局を乗り切る知恵者の集結、④自主自衛のための組織形成、⑤弱者を守る互助相愛の思想と互助システム、⑥外からの支援を勝ち取る闘い、⑦生き延びるために代償を払わなくても済む救済システムの7つ英知によって、過酷な生活を乗り越えたことが明らかになった。次に、戦争体験者のもつ英知として、戦場から内地、内地の病院から郷里へと移動する傷病兵の体験から、圧倒的な暴力や恐怖に晒された者がもつ困難への対処方法を抽出した。さらに、江戸時代の民衆が、飢饉や災害をどのように乗り越えてきたのかを示す資料について調べた。これらを元に、先人の知恵を生かして、震災からの復興を考える枠組みを作成した。これらの枠組みに、より具体的な支援方法を肉付けするために、阪神大震災以降の震災についての文献や新聞記事などの資料の検索し、内容の検討を行っている。今後は、これらを統合することにより、震災からの復興を促す被災コミュニティーレジリエンスモデルの雛形を生成する。そして、南海トラフ巨大地震の被災想定地に関する情報を加え、より実情に合ったものに間偏し、現実への適合性を高める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に作成した研究計画書どおりに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで、申請時に作成した研究計画書どおりに進行しているので、2年目についても、研究計画書に基づいて、粛々と進める。
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Causes of Carryover |
本年度は1年目であり、各研究メンバーが各自で行う作業が多かったため、研究会議の開催が少なく、必要となる旅費が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究会議の開催、およびデータ収集のための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)