2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15799
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
佐伯 由香 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70211927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城賀本 晶子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90512145)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精神動態覚醒水準課題 / 芳香療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、交代性勤務を行う看護師の睡眠状態が、経耳道光照射によって改善するか否かを検討することが目的である。その客観的評価として精神動態覚醒水準課題(PVT)を測定することにしている。PVT測定を実施するに当たり、適切な実施時間や表示時間などの条件を設定するため文献検討を行い、その設定した条件の有効性を検討する予備実験を行った。 健常な女性6名を対象に、香りの無い状態(コントロール)とペパーミント精油を使用した状態でそれぞれ10分間PVTを実施した。その結果、反応時間の平均は、コントロールでは284.0±35.6 msecであったのに対して、精油使用群では265.5±28.7 msecと、精油使用群において有意に短かった。また、最大反応時間(381.5±54.2 vs. 352.8±40.2 msec)ならびに最小反応時間(229.7±25.1 msec vs. 212.5±25.0 msec)においても、精油使用群が有意に短かった。これらの結果から、覚醒作用があるといわれているペパーミントの香りをかぐことで覚醒水準が向上したことが明らかとなった。 この予備実験で設定した条件は、刺激表示間隔時間は2~10秒、反応時間が0.5秒を超える場合は無効とし、測定時間は10分間であった。この条件で評価できると考え、今後はこの条件で実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
覚醒状態の評価として、精神動態覚醒水準課題(PVT)を使用する。研究者にとって本指標を使用するのが初めてであったため、機器の操作ならびに種々の条件設定等に時間がかかった。PVTの課題提示の時間設定や実施時間は先行研究において様々である。したがって、本研究においてどのような設定がいいのか、検討することは必要なことであった。また、被験者に関しては、2ヶ月間協力を得る必要があるため、年末年始や年度をまたいで実施する場合、他の要因が入る可能性もあり、研究協力期間を慎重に選ぶ必要があり、実施が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に関しては、大学ならびに病院の倫理審査委員会から既に承認を得ている。今後は、病院看護部に協力を得て、研究参加者を募り実施していく計画である。
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Causes of Carryover |
本研究の主な研究対象者は交代性勤務を行っている看護師約50名である。また、研究協力期間は2ヶ月間に及ぶことから、謝礼を多く予算に計上していた。しかし、今年度は看護師を対象とした調査まで進んでいなかったため、謝礼分を次年度に回した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は看護師を対象とした経耳道光照射の睡眠への効果を検討するため、計画通り謝礼として使用する計画である。
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Research Products
(6 results)