2015 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害者の退院後の適応を促進するための支援システムの構築
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15K15833
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
中西 純子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (70207827)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高次能機能障がい者 / 障害の認識 / チームアプローチ / 適応促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
高次能機能障がい者と家族が退院移行期に体験する困難とそこから求められるニーズ、およびその支援方法やポイントを明らかにするため、まず、高次能機能障がい者自身に関する11文献、家族の体験に関する4文献、支援方法については報告された16文献を分析の対象とした。抽出の条件として、体験の事実が具体的に読みとれること、退院移行期に焦点を当てたものとした。その結果、以下のことが仮説された。 高次能機能障がい者自身の体験としては、入院生活中にはリハビリを受けながらも障がいの認識がもてず、外出や外泊の体験、退院後の実生活に戻って、繰り返す失敗から当たり前にできていたことができなくなったことへの驚きと当惑が生じており、現実に直面するに従って不安が増大し自己尊重の低下がおこっていた。 家族についても、入院中は本人同様に障がいを楽観視しており、むしろ疾患そのものの再発・悪化を心配していた。退院が近づくにつれ、当事者の変化への戸惑い、喪失感、悲しみ、予測がつかない退院後生活への不安が増し、今後起こり得る問題と対処法についてやサポート資源・利用方法についての情報提供等を希求していた。 これらと成果のあった支援の実践報告から、入院中から障がいの認識を高めるアプローチをリハビリ訓練と病棟生活間で統一、連携し、段階的に実施すること、それと同時に増大する心理的ストレスへのアプローチが重要であり、特に看護職の役割が期待されること、高次能機能障がいは退院後も持続する後遺症であることを踏まえ、退院後の生活訓練、相談体制の強化が必要となること、当事者の障がいの認識が低い間は特に家族の困難が強いため、家族への情報提供、精神的・物理的両面の支援が必要であること、障がいの特性から情報の多さや不統一は当事者の混乱を招くため、いずれの時期にもチームアプローチが基盤となること、等が支援に必要なポイントとして示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先行させた文献検討の結果から、研究対象者の選定条件の再検討が必要とされたことおよび協力者の見通しに時間を要したために当事者および家族の面接に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、仮説された患者・家族の困難とニーズ、支援のポイントについて面接を通して検証し、さらに、システムとして機能するための条件について入院中から退院後をつないでいく関係者からの意見聴取(専門施設視察を含む)により早急に支援のモデル化をはかる予定である。面接対象の条件と人数については協力施設と相談しながら絞っていく。
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Causes of Carryover |
27年度に予定していた面接調査が実施できていないために、それに充当を予定していた調査旅費、謝金、テープ起こし依頼等経費が使えていないため28年度に繰り越しとしたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度には遅れている面接の実施と当初計画にある高次能機能障がい者支援の関係施設の視察、専門家からの意見聴取を予定している。
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