2016 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子検査を考慮するがん患者のための対話型決定支援プログラムの開発
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15K15839
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
辻 恵子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 准教授 (30338206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 美穂 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 研究員 (60347359)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | shared decision making / 遺伝看護 / プログラム開発 / がん / 包括的遺伝子検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在も急速に変化を続ける遺伝性腫瘍医療の現状と課題を把握するために、文献および学会等における情報収集を引き続き行い、文献およびWEB上の既存の意思決定支援ツールの収集と評価を行った。 既に臨床試験が実施されているが、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)の原因遺伝子であるBRCA1・2の検査は、薬剤応答性診断のためのコンパニオン診断として、今後広く実施されると考えられる。同様にリンチ症候群の診断に用いるマイクロサテライト不安定性(MSI)検査も免疫チェックポイント阻害剤の薬剤応答性診断のためのバイオマーカー検査として、一般診療の中で実施される可能性がある。医療者は、これらの検査の特性として、単一遺伝子病の確定診断につながる可能性(生殖細胞系列の遺伝学的検査としての特性)を認識する必要がある。さらに今後、当該検査に続き遺伝子検査の受検を考慮する患者が増えることが示唆されている。よって今後は遺伝子診療部門の人材のみならず一般診療科の医師および看護師が、患者のがんが遺伝性であることを示唆または診断される場面や、既に家族性腫瘍と診断されている患者の診療・ケアに関わる機会が増えることが予想される。 看護師は、遺伝学・腫瘍学の知識に加え、遺伝子検査受検の血縁者への影響、遺伝に関する偏見や差別と不利益(雇用、医療保険加入他)に関しても十分に理解を深め、臨床での看護支援を機能させることが急務である。また患者自身も遺伝子検査を利用する目的と課題を理解し、検査の受検に関し、主体的に意思決定に参加することが求められる。 以上を前提とし、当該プログラムで扱う課題、方法、媒体の様式を検討した。「(自分が)遺伝子検査をするかどうか」、「血縁者(家族)にいつどのように伝えるか」という2つの課題を柱とし、診療科の看護職が患者と面談する際に使用する媒体として、患者用と看護師用の計2冊の冊子(原案)を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究および得られた情報から意思決定に必要な情報を吟味するところに時間を要した。現在、決定支援プログラムで使用する冊子作成が終了し、冊子の内容妥当性・方法の実施可能性について遺伝専門家・看護実践者による評価の一部を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、作成した冊子の内容妥当性・方法の実現可能性について遺伝専門家・看護実践家による評価を受け、実施する上での課題を明確化し、成果を公表していく。
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Causes of Carryover |
サポートプログラムの開発、評価に関して工程が当初の計画より遅れていることから、使用予定額の一部を次年度に繰り越すことを決定した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、プログラム評価の諸手続きのための人件費、修正を加えた最終版の印刷および成果報告のための英文校正、ポスター作製、公表のための旅費に関して主たる使途として計画している。
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