2017 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子検査を考慮するがん患者のための対話型決定支援プログラムの開発
Project/Area Number |
15K15839
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
辻 恵子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 准教授 (30338206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 美穂 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 研究員 (60347359)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | shared decision making / 遺伝看護 / プログラム開発 / がん / 包括的遺伝子検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性腫瘍の遺伝学的検査受検、あるいはその後の治療等にかかわる決定支援プログラムについて、国内外の文献レビューを行い、これまでに開発されたプログラムの概要と開発の基盤となる考え方、評価の指標、現在までの動向について調査した。欧米では、臨床でゲノム医療の実用化が進み、決定支援の方略も単一の媒体による教育的介入のみならず、視聴覚教材や電話の活用、関連職種との協働相談体制など、多様な決定支援の方略が実施されていた。 文献レビューの結果を踏まえ、当該研究で扱う対象の課題を「遺伝医療を利用するかどうか(遺伝医療にいつ、どのような目的でアクセスするか)」「血縁者(家族)にいつどのように伝えるか」の2つとし、外来看護師が患者と面談する際に使用する媒体として、課題ごとにリーフレット/冊子を作製した。さらに、作成された媒体を使用する看護職を対象とした教育プログラムを考案した。作成された媒体と教育プログラムを、遺伝医療専門家、看護研究者、看護実践者に評価を依頼し、内容の妥当性・実施可能性を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に日本のがんゲノム医療体制の大枠が決定し、各医療機関において看護師を含めた遺伝医療体制を早急に整備する必要性が生じた。しかし、課題分析の結果、現場の看護師にとって遺伝医療に関わることはハードルが高く感じられる事柄であることがわかった。当該研究で作成された媒体を有効に活用するために、看護職を対象とした教育プログラムの開発が必要となった。研究計画を見直し、教育プログラムのプロセス評価をゴールとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
看護師対象教育プログラムを評価するための評価指標の見直しを行う。評価項目を確定し、評価シートを作成し、倫理委員会で承認を得たのち、院内外でセミナーを開催する。セミナー前後で、受講者に教育プログラムの評価を依頼し、その結果を分析する。成果を、国際遺伝看護学会で報告する。
|
Causes of Carryover |
今年度、日本のがんゲノム医療体制の大枠が決定し、各医療機関において看護師を含めた遺伝医療体制の整備が喫緊の課題となった。本件の課題分析の結果、日常的にがん医療の現場で看護に携わる看護職においても、遺伝医療への参入に難度の高さ、そして具体的な困難感を覚えていることが確認された。開発した媒体を有効に活用すべく、一般の診療科の看護職を主たる対象とした教育プログラムへと一部変更が必要となった。現在、教育プログラムのプロセス評価を進めている。 次年度の補助金使用額に関しては、がん専門病院ほか協力施設におけるセミナー開催に関連し、媒体および運営費として支出する予定である。また、セミナー前後で参加者の協力を得、教育プログラムのプロセス評価・報告を行うため、国際学会参加費として使用する。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Presentation] Development of a Support Program to Determine in Consultation with Nurses Whether Cancer Patients Should Undergo Genetic Testing or Not2017
Author(s)
Kakuta M, Tsuji K, Yokomakura R , Simizu M, Osanai Y, Takahashi K, Mizoguchi M, Izumi S, Akagi K,
Organizer
2017 ISONG World Congress, Hyatt Regency Reston (Reston,Virgina USA), 2017/11/3~5
Int'l Joint Research
-
[Presentation] Development of a Support Program to Assist Hereditary Cancer Patients’ Communication about Genetic Risk Information to Family Members2017
Author(s)
Kakuta M, Tsuji K, Yokomakura R , Simizu M, Osanai Y, Takahashi K, Mizoguchi M, Izumi S, Akagi K,
Organizer
2017 ISONG World Congress, Hyatt Regency Reston (Reston,Virgina USA), 2017/11/3~5
Int'l Joint Research