2015 Fiscal Year Research-status Report
妊娠女性の正常体重肥満(いわゆる隠れ肥満)と周産期outcomeの関係
Project/Area Number |
15K15848
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江守 陽子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70114337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 文江 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40229943)
川野 亜津子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10550733)
山海 千保子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (90438101)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 隠れ肥満 / 妊娠女性 / 体脂肪率 / BMI / 体重 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は体脂肪率が高い状態であり、肥満の判定には体脂肪率の測定が合理的であるが、これまではBoddy Mass Index(以下BMI)が用いられてきた。BMIと体脂肪率は相関する一方で、BMIが「やせ」または「標準」であっても、体脂肪率が30%をこえる「正常体重肥満(いわゆる隠れ肥満)」が少なくない頻度で存在することが確認されている。しかし、これまで体重評価に比べ、体脂肪率はほとんど活用されず、妊娠女性における隠れ肥満者の存在は確認されていない。 本研究の目的は、妊娠女性における隠れ肥満の実態を特定し、妊娠女性の隠れ肥満と周産期outcomeとの関連を明らかにすることである。妊娠・出産の当事者である女性の体型や健康状態は当人だけでなく、生まれてくる子どもの健康にも重要である。 対象は、A総合病院の妊婦81名である。調査は体組成測定器X-SCAN PLUS(コーワメディカル社製)を使用した。倫理的配慮については、本学附属病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得た。対象者の平均体重55.0 kg、BMI21.9 kg/m2、体脂肪率の平均値27.2 %であった。対象のBMIと体脂肪率の相関は.929であり、強い相関がみられた(p<0.01)。体脂肪率は30.0%以上(過脂肪)が24 (29.6%)名、25.0~29.9%(やや多い)が25 (30.9%)名、25.0%未満(適正)が32 (39.5%)名であった。体脂肪率分類が「適正」の32名は、BMI分類が普通体重の21名とやせの11名全員であった。体脂肪率とBMIを合わせた体型分類では、肥満12 (14.8%)名、隠れ肥満12 (14.8%)名、隠れ肥満傾向25 (30.9%)名、標準体型21 (25.9%)名、やせ11 (13.6%)名であった。 以上のことより、妊娠期の女性の体型評価には、体脂肪を用いる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に従い、初年度計画に沿って研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画の変更は予定していない。次年度においては、今年度の研究対象者が分娩を終え、周産期outcomeが明らかになると思われるので、その分析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた購入額よりも安い金額で購入できたため、残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
資料および研究に必要な小物整理のための消耗品を購入する予定である。
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