2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of female mammary gland development and development of predictive index of lactation secretion using ultrasonic image
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15K15849
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
粟野 雅代 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (80751437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 啓子 金沢大学, 保健学系, 教授 (60115243)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳腺 / 携帯型超音波画像診断装置 / 妊娠 / 母乳分泌 / 母乳育児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、WHO/UNICEFが世界的に推奨している母乳育児の推進と女性のライフサイクル全般を通した健康管理を目指して、妊娠・分娩に伴う乳腺の発育評価および乳腺の発育状況からの母乳分泌の予測指標の開発を行うことを目的に取り組んだ。従来の視診や触診のみでは乳腺の発育の評価は難しく、超音波画像診断装置の活用が望まれながらも、周産期領域で日常的に使用されている据え置き型の超音波画像診断装置は、看護者が日々のアセスメントに活用するには簡便性に欠けることから普及していない。そこで、近年、看護師の活用が期待されている携帯型超音波画像診断装置(ポケットエコー)の活用を試みた。 高性能の超音波画像診断装置との比較によりポケットエコーでも乳腺の観察が可能であることを実証した後、妊婦を対象に妊娠経過に伴う乳腺の変化を妊娠初期から妊娠後期まで縦断調査した。一般的に、妊娠経過に伴い乳腺はホルモンの作用をうけて発育し、画像所見上乳腺組織が占める部位は厚みを増すとされているが、ポケットエコーでも乳腺の厚さが増す様子が観察できた。乳腺の厚さは個人差が大きく母乳分泌が良好と予測できる厚さを見出すことはできなかったが、個人内の変化から乳腺の発育評価は可能であることが示唆された。 本研究期間中に十分な対象者数が得られず、乳腺の発育状況から母乳分泌の予測指標を開発するまでには至らなかった。しかし、乳腺の発育の進み方は一様ではなく発育が進む時期などによって産後の母乳分泌が異なる示唆を得ることができた。本研究は、今後の研究の基礎資料となることが期待できる。
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Remarks |
2016年11月30日、University of Londonにて「周産期ケアに関する最近の動向」をテーマに集会が開かれ、ディスカッションの中で英国の母乳育児支援状況や超音波の活用状況および研究などに関してヒアリングした。 参加者:Christine McCourt(Professor of Maternal and Child Health)、 島田啓子、椿麻衣子、粟野雅代
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