2015 Fiscal Year Research-status Report
妊婦による周産期医療施設の機能分化促進モデル設計研究-出産情報システムの開発-
Project/Area Number |
15K15869
|
Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
勝川 由美 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (20438146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂梨 薫 関東学院大学, 看護学部, 教授 (60290045)
水野 祥子 関東学院大学, 看護学部, 助教 (60728179)
沢田 真喜子 関東学院大学, 看護学部, 助手 (80363555)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 出産関連情報 / 病院ホームページ情報 / 出産場所 / 主体的な出産 / 医療機能情報提供制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦では妊産婦のリスクに応じた分娩施設の機能分化が進められているが、妊婦にその情報が周知されておらず、医療機関で妊婦の妊娠リスクにマッチした分娩施設への再選択を迫られる場合もある。その一方、日本には妊産婦医療サービス情報を一括掲載した一般向けの情報サイトは見当たらない。本研究の目的は、大都市圏の分娩取扱い病院におけるホームページ上の出産関連情報を抽出し、医療施設による情報提供の現状と課題を明らかにするとともに、日本での分娩情報システムのコンテンツ作成の基礎資料とすることである。 調査対象は、HP「周産期医療の広場」に掲載されている全国の分娩取扱い病院1054施設である。調査方法は、「Birth choise UK」の出産関連情報を参考に作成した年間分娩件数など妊婦が出産施設を選択する際に必要と考えられる38項目の情報に関して、分娩取扱い病院のHP上への掲載の有無を分類した。その上で、医療機能情報提供制度で情報提供されている各分娩施設の総病床数等のデータを活用し、分娩取扱い病院のHP上の情報を統計学的に分析した。 1054施設のうち、50%以上掲載されていた項目は産科医師紹介82.7%、面会時間81.7%、母親学級もしくは両親学級の開催59.0%の3項目であった。助産師数が平均以上の施設では、LDR、フリースタイル分娩、助産外来、院内助産、面会可能人物、母乳育児ケアの項目の掲載が有意に高かった(p<0.05)。 出産施設を選択する際に必要な情報は、産科医師情報や両親学級開催等の一部の情報だけが病院のHPに掲載されていた。女性がどのような出産をしたいかを、女性自身で決定していくことが、主体的な出産には必要とされている。今後は、出産に関する女性の意思決定を促進するためにも、病院のHP情報や各都道府県が掲載している「医療機能情報提供制度」を活用できる方法を考える必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は、計画した病院ホームページ情報に関する研究を実施したが、分析まで終了しており、学会発表と論文投稿が完了できなかった。本年度6月に学会発表予定であり、2016年度中に論文投稿予定である。また、2016年度実施予定の妊婦対象とするHP情報活用調査に必要な調査項目抽出のために、2015年度に本研究以外にインタビュー調査を実施し、現在分析中である。この結果をもとに、本年度の調査項目を検討していく予定である。7月の倫理審査委員会への書類提出を目指しており、ほぼ順調に研究を進めることができていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2016年度は、インターネットを用いた周産期医療情報活用調査を実施する。まず、2015年度の産後1年未満の母親へのインタビュー調査結果、および文献検討をもとに、アンケート調査内容を6月中に検討する。その後、7月の学内倫理審査に提出し、承認を得次第、妊婦に必要な妊産婦医療サービスに関する情報活用の現状と課題の調査を実施する(8~9月)。対象は妊娠20~36週の女性(初産婦500名、経産婦500名)で、自作質問項目によるインターネット調査(分娩施設や妊娠・分娩ケア選択時のネット情報活用状況と、選択の意思決定への影響など)を実施する。分析結果から、妊婦の妊産婦医療サービスに関する情報活用の課題を抽出,「産科医療提供者への調査」に向けたデータベースを作成していく予定である(1~3月)。
|
Causes of Carryover |
HP情報のデータ収集のためにPCを購入予定であったが、購入を検討中である。2016年度に実施するインターネット調査に必要な予算を確保するために、2015年度の研究費を節約したため、次年度使用額が生じている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額はインターネット調査に利用予定であり、残額が生じた場合に、2017年度調査に必要なPC購入を検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)