2016 Fiscal Year Research-status Report
妊婦による周産期医療施設の機能分化促進モデル設計研究-出産情報システムの開発-
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15K15869
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
勝川 由美 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (20438146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂梨 薫 関東学院大学, 看護学部, 教授 (60290045)
水野 祥子 関東学院大学, 看護学部, 助教 (60728179)
沢田 真喜子 関東学院大学, 看護学部, 助教 (80363555)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 出産関連情報 / インターネット情報 / ネット調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、妊産婦ケアや分娩施設に関するインターネット情報の活用の実態とその課題を明らかにすることである。調査期間は2016年12月22~23日で、調査内容は妊婦のインターネットへのアクセス理由、情報内容の種類等である。調査方法は、Narasimhuluの質問項目,および産後1年以内の母親を対象とした出産情報に関するインターネット利用インタビュー調査(2015年)結果、病院HPの出産関連情報調査(2015年)結果をもとに、無記名型自作質問紙を作成し、インターネット調査を実施した。結果はIBM SPSS Statistics 23を使用し、χ2検定、t検定にて分析した。本研究は、関東学院大学人に関する研究倫理審査委員会の承認(H2016-3-3)を得て実施した。 対象者初産309名、経産309名。出産施設の選択に関する情報源で最も多かったのは、初産が家族からの口コミが36.6%、経産は出産施設のHPが33.0%、インターネットを利用した出産関連情報の入手は初産90.9%、経産74.8%で、そのうち入手機器はスマートフォンを主に利用した人が初産84.0%、経産88.3%であった。ネットを使った情報収集内容は近隣の出産施設、胎児の発育情報、妊娠中の食事に関して初経ともに利用が多く、いずれの項目も初産の方が有意に多かった(p<0.001)。ネット上の出産関連情報について初産の方が新たな知見を得たと認識(p<0,001)する一方で、情報サイトが信用できない(p<0,001)、情報の信ぴょう性がわからない(p<0,05)と強く感じていた。 出産関連情報の入手はインターネットが主流となっており、スマートフォンの普及が影響していると考えられる。出産が初めてとなる初産にとって容易に情報を入手できるネットは利用価値があるが、同時に情報の信ぴょう性に疑いをもっていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度に実施した「分娩取り扱い病院のホームページ上における出産関連情報に関する全国調査」、および2016年度の「インターネットを用いた周産期医療情報活用調査」ともに、研究計画どおりに実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は妊婦を対象とする「仮想出産情報提供モデル先行調査」を実施予定であったが、「仮想モデル」にとどまらず実際の出産関連情報サイトを独自に作成・公開し、調査対象者からの意見を収集する調査方法に変更予定である。その理由は、妊婦のインターネットによる出産関連情報活用が予想以上に活発化している一方、情報の信憑性に大きな疑問を持つことが明らかとなったため、信頼性の高い情報を専門職として妊婦に提供する必要が高いと判断した。そこで、予算内でのHP作成がひとつの課題となる。HP公開後のインタビュー調査となるため、遅くとも12月下旬までには倫理審査の承認を受ける必要があり、計画的に調査の準備を進める必要がある。 また、出産関連情報に関する病院のHP情報調査は実施したが、インターネット上の出産関連情報サイトに関する調査も必要と考えている。当初の研究に加えた新たな調査期間を確保できない場合は、次年度に実施予定とする。
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Causes of Carryover |
2016年度予算には計上していなかった2017年度の学会発表用渡航費を、2016年度中に支払う必要があったため、次年度予算から先払いの手続きをとった。身体的な理由からビジネスクラスでの渡航が必要であるが、研究費の節約のためにビジネスクラス分の費用を自己負担したため、当初の費用に残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度は、独自に作成する「出産関連情報提供サイト」の作成費用と、調査への謝金や移動等の諸経費、学会発表時の宿泊費、国内の学会発表時の旅費が必要となるため、科研費をこれらの費目に使用予定である。
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Research Products
(2 results)