2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の心身健康増進スピリチュアルケアプログラムの開発と検証
Project/Area Number |
15K15896
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Research Institution | Kameda College of Health Sciences |
Principal Investigator |
小林 美奈子 亀田医療大学, 看護学部, 講師 (40312855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40334445)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スピリチュアリティ / QOL / 重回帰分析 / 老人クラブ / LSNS-6 / LSIK / SF / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域在住高齢者のQOLに影響を与える諸要因を明らかにするために、千葉県安房地域の老人クラブに所属する898人に質問紙調査を実施し、有効な回答が得られた715人を分析対象とした。 調査項目は基本属性(年齢、性別、教育、居住年数、居住地、宗教の有無、経済的ゆとり)、健康状態(心疾患、消化器疾患、がん、骨関節症、頭痛、腰痛、膝痛、目が見えにくい)、高齢者版スピリチュアリティ健康尺度(SP健康尺度。6因子:生きる意味・目的、死と死にゆくことへの態度、自己超越、他者との調和、よりどころ、自然との融和、自己超越)、ソーシャルネットワーク尺度(LSNS-6,2因子:家族のサポート、友人のサポート)、健康関連QOL(SF-8,サマリースコア:PCS、MCS)と非健康関連QOL(LSIK)であった。この内PCS、MCSとLSIKをQOLと捉えて従属変数、残りを独立変数として重回帰分析を行った。 その結果、全従属変数に共通する上昇要因は、経済的ゆとりであった。個別にみるとPCSの上昇要因はSP健康尺度(生きる意味・目的)、低下要因は年齢、健康状態(心疾患、消化器疾患、骨関節症、腰痛、膝痛)であった。MCSの低下要因は健康状態(がん、頭痛)、SP健康尺度(自己超越)であった。LSIKの上昇要因はSP健康尺度(生きる意味・目的)と家族のサポート、低下要因は健康状態(腰痛、頭痛、目が見えにくい)であった。この結果は、高齢者の心身の健康増進への介入方法を検討する上で、主観的経済状況、年齢、疾病種類に加え、スピリチュアリティについても把握する必要性を示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スピリチュアリティを含む社会心理的・経済的・健康的等の複数の要因が、地域在住高齢者 のQOLに与える影響を明らかにすることができた。今回の調査結果は、心身健康増進スピリチュアルケアプログラムの作成において内容を検討する際の参考資料となる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度にプログラムを開発し、29年度に開発したプログラムを複数の地域で介入効果を試すことができれば、平成29年3月までにその効果を横断的に明らかにすることができると考える。
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Causes of Carryover |
調査用紙の返信が当初予測していた40%の回収率の2倍の80%以上の回収率が得られ、データ入力・処理の人件費および料金後納費が嵩み前倒し請求をした。前倒し金から諸費用の支払いをした残額が数万円発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は平成27年度の研究成果を複数の学術集会等で発表する計画があるために旅費等の費用が膨らむ可能性があり繰越金を検討している。
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