2015 Fiscal Year Research-status Report
エボラ出血熱や急性熱性感染症の制御を目指した放射温度計による発熱判定基準の構築
Project/Area Number |
15K15934
|
Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
堀江 修 天理医療大学, 医療学部, 講師 (50304118)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 百合子 広島国際大学, 看護学部, 講師 (10364118)
芝田 宏美 兵庫医療大学, 薬学部, 助手 (20509137)
津田 智子 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (30305172)
小柴 賢洋 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70301827)
新谷 奈苗 近大姫路大学, 看護学部, 教授 (70461324)
吉田 いつこ 天理医療大学, 医療学部, 准教授 (90635088)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 放射温度計 / 標準黒体 / 急性熱性感染症 / サーモグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
エボラ出血熱などを含めた急性熱性感染症の制御を目指して放射温度計による発熱判定基準の構築を進めた。最初に西アフリカで汎用されている放射温度計の温度測定精度を、サーモグラフィ装置を用いて検討した。方法は、性能の異なった数種の機器を対象とし、同じ温度を常時表示する装置である標準黒体を温度コントロールとして測定を行った。この検討により、各企業が公開している性能評価には統一性がないため、機種に一定の基準がないことが判明した。また公開されている性能が必ずしもデータの精度と相関するとは限らず、センサー、レンズ、形態のすべてが精度に影響していた。放射温度計はデータとしては変動が少なく安定しているが、温度表示はサーモグラフィとは大きく異なっていた。放射温度計は、レーザー光線のあたった1点のみの温度計測が可能であるため、複数ポイントを計測して温度を面で確保しようとこころみたが、まれにレーザー照射が目に入ることがあり、思わぬ難点が浮上した。レーザー照射をオフにしても温度計測は可能であるが、正確なポイント計測は極めて困難である。健常者の顔面体表温サーモグラフィを計測したところ、小学生年代群とそれ以降の年代群では顔面の部位によって体表温度には差があるということが判明した。インフルエンザなどの急性熱性感染症のサーモグラフィによる顔面温度の計測を行ったところ、健常者に比較して、インフルエンザAの患者では顔面のどの部位の体表温度も高かった。また、体温に比較して体表温度が低いことがわかった。これは疾患特異的な顔面の温度分布が存在している可能性を示唆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
放射温度計の温度の精度管理の柱となるサーモグラフィ装置を購入したが、同時に研究費の大半をなすものとなり、放射温度計の購入は次年度となった。このため研究計画の再調整を行い、放射温度計を携行して行う予定の諸外国での環境温度調査が進まず、進捗状況はやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
複数ポイント計測により放射温度計の発熱判定方法を確立して、安定計測を実施する。健常群は日本各地域ごとに測定を行い正常参考値を作成する。同様に急性熱性感染症のパンデミックが発生した国における民族とのデータの差異を検討する。看護業務に放射温度計が応用できるように、汎用性の高いマニュアルを構築する。
|
Causes of Carryover |
研究の進行に伴い計画を見直した。その結果、正確なデータ収集をするため、出張によるデータ収集を次年度に持ち越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査対象となる当該国の安全性を十分に考慮した上で、データ収集のための出張を充実させる。
|
Research Products
(3 results)