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2016 Fiscal Year Research-status Report

4Dライブセルイメージングデータ内の非常に多数の細胞の自動追跡手法の開発

Research Project

Project/Area Number 15K16021
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

広瀬 修  金沢大学, 電子情報学系, 助教 (30549671)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsライブセルイメージングデータ / 粒子フィルタ / 物体追跡 / マルコフ確率場 / ベイズ推定 / 時系列解析
Outline of Annual Research Achievements

本研究で4D ライブセルイメージングデータ内の非常に多数の細胞を自動追跡するための基盤技術の開発を行った.細胞動画像の典型的な特徴のひとつとして,多数の細胞が密に存在し視覚的に類似していることが挙げられる.このような動画像に対し標準的な追跡手法である粒子フィルタを利用した場合,本来追跡すべき細胞を別の細胞と誤認し追跡に容易に失敗してしまう.この問題に対し,細胞の運動は近隣の細胞の位置や運動に依存するという空間的依存性に着目し,追跡のための補助的な情報としてこれを利用することで追跡精度の大幅な向上を達成した.前年度は楕円形状の複数物体の同時追跡手法の開発を行った.ほぼ研究計画通りの進捗があった.具体的には以下を行った.(1)追跡ソフトウェアの3次元動画像への対応:試作済みの2次元動画像用ソフトウェアを3次元動画像に対応させた.これは今回主な解析対象であったデータが3次元動画像だったためである.(2) 対象物の出現・消滅への対応:今回主な解析対象とした動画像では追跡対象である神経細胞の出現・消滅が起こる.本研究で複数物体の移動量の相関に着目し,物体追跡に他の対象物の相対位置を考慮に入れる拡張をおこなった所,消滅中も高い精度で追跡を行うことができた.前年度の経過を踏まえ今年度も計画通り以下の進捗があった.(1)自由形状対象物への応用:追跡対象物を自由形状物体に拡張した.これは場当たり的な探索に対する正解判定を改良するという方針で開発を行った.その結果,自由形状物体であってもまずまずの精度での追跡を実現した.(2) 対象物の経時的な形状変化への対応:(1)の開発後,追跡対象物の形状変化への対応を行った.細胞分裂時の紡錘体や組織内を移動する細胞である遊走細胞は,時間の経過とともにその形状が変化する.このような場合であっても,まずまずの追跡精度を達成するソフトウェアの開発に成功した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成28年度には,より汎用的な追跡手法の開発を目的として形状変化を考慮した自由形状対象物の追跡手法の開発を行った.具体的には以下について研究を行った.

(1)自由形状対象物への応用:追跡対象物を自由形状物体に拡張した.ここでの自由形状物とは例えば神経細胞に対応する星型の形状のように,球や楕円体などの単純な形状をとらない対象物である.これは場当たり的な探索に対する正解判定を改良するという方針で開発を行った.より具体的には,初期フレームの対象物の画像領域そのものを正解判定に使うという方法である.

(2) 対象物の経時的な形状変化への対応:(1)の開発後,追跡対象物の形状変化への対応を行った.細胞分裂時の紡錘体や組織内を移動する細胞である遊走細胞は,時間の経過とともにその形状が変化する.この場合に,追跡の良さの判定素材として追跡対象物の静止画像(テンプレート)を利用する標準的な手法を採用すると,形状変化に対応できないため,追跡精度が著しく低下する.この問題に対処するために,テンプレートを経時的に変化させる方法を導入した.より具体的には現在時刻からある程度以前の時間までの追跡対象に対応する部分画像の移動平均により判定素材を更新させる方法を実装した.

Strategy for Future Research Activity

まだ追跡精度の改善の余地はあるものの,申請書で掲げた研究計画はほぼ達成できた.
今年度研究の延長申請を行った理由は,論文の修正および再投稿を行うためである.
したがって,今年度は論文の修正および再投稿を主要な課題とする.

Causes of Carryover

申請課題に関して期待以上の成果が得られ,その成果を論文にまとめ国際誌に投稿した.レビューの結果,提案手法に関して非常に好意的な意見が得られた一方で,提案手法の精度検証を精緻化するよう求められた.論文の採択が年度をまたぐことが確実であるものの,前年度の時点で論文の掲載費用が確保できていなかった.また,精度検証の精緻化の際に共同研究者との打ち合わせのための出張費用が必要.以上の理由で補助機関の延長の申請を行った.

Expenditure Plan for Carryover Budget

上記の通り,論文の掲載費用,共同研究のための出張費として支出予定である.また追加実験にあたり物品の購入が必要であれば購入費用にも支出する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2016 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Accurate automatic detection of densely distributed cell nuclei in 3D space2016

    • Author(s)
      Yu Toyoshima, Terumasa Tokunaga, Osamu Hirose, Manami Kanamori, Takayuki Teramoto, Moon Sun Jang, Sayuri Kuge, Takeshi Ishihara, Ryo Yoshida and Yuichi Iino
    • Journal Title

      PLoS Computational Biology

      Volume: 12(6) Pages: 1-20

    • DOI

      10.1371/journal.pcbi.1004970

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Remarks] SPF-CellTracker

    • URL

      https://github.com/ohirose/spf

URL: 

Published: 2018-01-16  

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