2017 Fiscal Year Annual Research Report
Illuminance Estimation to Accurate Color Reproduction
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15K16032
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Research Institution | Kobe Institute of Computing / Graduate School of Information Technology |
Principal Investigator |
大寺 亮 神戸情報大学院大学, 情報技術研究科, 講師 (50590410)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 色再現 / 画像処理 / 照度推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間は、観測するシーンの照度に応じて、明所視/薄明視/暗所視と呼ばれる状態で物体を知覚し、それぞれの状態では色の見えが複雑に変化する。この変化は、各状態で働く視細胞(錐体および桿体)の特性に起因する。一方で、デジタルカメラのCMOSセンサもしくはCCDセンサは、人間のように照度に応じて視細胞を切り替える機構・特性は備えていないため、結果として、撮影された画像と人間の視覚との間で、色の見えの違いが生じる。 そこで、本研究では、RGBデジタルカメラで取得した画像から色信号スペクトルと撮影シーンの照度を推定し、人間の視覚特性に合わせた色相補正をデジタル画像に対して施すことで、様々な照度下で撮影された画像を、人間が見たままに忠実に再現することを目的とした。 照度推定においては、カメラの輝度変換特性の分析から実際の輝度推定式の係数を明らかにし、画像中の物体を均等拡散反射面と仮定し、推定された輝度と反射率から照度を算出することにした。具体的に、均等拡散反射面では、輝度L、照度E、反射率ρに関して、L=Eρ/πが成り立つことから画像を任意の領域に分割しEの推定を行った。 実験の結果、輝度値が中程度の領域に対する推定照度値は概ね照度計による正解値と近い値を求めることができたが、輝度が高い領域や逆に低い領域の精度は極端に低く、推定精度は画像に大きく依存する結果となった。これは、特に薄明視もしくは暗所視の環境下における照度推定へ悪影響を与えるため、改善の必要がある。
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