2015 Fiscal Year Research-status Report
男性看護師の子育てライフまで充実させるダイバーシティマネジメントマニュアルの開発
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15K16177
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山田 泰行 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (80531293)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイバーシティマネジメント / ワークライフバランス / 男性看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は平成27年度内に学内倫理審査の承認を得てDM組織文化質問票の候補項目作成のための半構造化面接を女性看護師(管理職者含む)と男性看護師(管理職者含む)に実施した。そして、半構造化面接で収集したナラティブデータの解析によって、DMの現状と課題、さらには医療機関に想定可能な12項目のダイバーシティ要因を特定した。12種類のダイバーシティ要因とは次の通りである:①在職期間(若手、中堅、ベテラン、等)、②経歴(役職、臨床経験、他院の勤務経験、学歴、等)、③年齢(年齢、世代の違い)、④ジェンダー(女性看護師、男性看護師)、⑤人種・民族(人種そのものよりも言語の壁)、⑥看護役割(教育看護師、臨床看護師)、⑦雇用形態(夜勤専従、日勤専従、パートタイム、等)、⑧ライセンス(看護師、保健師、准看護師、助産師、認定看護師、等)、⑨性格特性(会話の不器用さ、攻撃性の高さ、物覚えの悪さ、引きこもり、等)、⑩障害(障がいの有無、障がい者雇用、等)、⑪家庭(育児、介護、共働き、等)⑫福利厚生(託児設置、育児休暇の推奨、サークルの設置、等)。なお、DMの現状と課題の分析結果は横浜で開催された人類働態学会第44回東日本地方会で成果発表を行った。12項目のダイバーシティ要因は平成28年度にアメリカ(オーランド)で開催されるThe 7th International Conference on Applied Human Factors and Ergonomics 2016 (AHFE2016,採択済)とSpringerが発行する欧文書籍(入稿済)を通して研究成果を発信する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において平成27年度内に予定していた調査内容は倫理審査申請、ダイバーシティマネジメント組織文化質問票(DM組織文化質問票)の開発(研究1)、男性看護師を対象としたDM調査(研究2)の開始、の3点である。倫理審査申請は平成27年度内に学内倫理審査委員会の承認を得ることができたが、想定していた以上の期間を費やすこととなった。そのような中、協力医療機関の看護部長と看護師長の全面協力の下、管理職者と男性看護師に対する半構造化面接を通してDM組織文化質問票の候補項目を作成することができた。候補項目の妥当性を検証するためのWeb調査は年度内に実施することができなかったが、平成28年度前半には完了する見通しである。男性看護師を対象としたDM調査のスノーボールサンプリングはWeb調査と同じタイミングで開始する予定である。そもそも研究2の調査完了は平成28年度末を予定しているため、それまでに男性看護師の必要サンプルサイズを確保することができれば研究計画通りとなる。以上の進捗状況から「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の4月~8月中に平成27年度内に終えることのできなかった研究1のWeb調査を実施し、男性看護師を対象としたスノーボールサンプリングの体制を整える。9月~12月はWeb調査を通して信頼性と妥当性の得られた質問項目を用いた質問票を作成し、男性看護師を対象とするスノーボールサンプリングを開始する。同時期に協力医療機関の女性看護師を対象とする質問票調査(研究3)も実施する。研究1~3のデータ入力を平成29年1月中に完了し、2月以降は論文執筆作業を開始する。3月は平成29年度に予定しているガイドラインの作成(研究4)と子育て看護師の役割モデル分析(研究5)の開始に向けた準備を行う。
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Causes of Carryover |
倫理審査委員会の承認に時間を要したことにより、質問票調査(研究1)の開始が平成28年度となったことから調査参加者謝礼とデータ入力者謝金の執行を次年度とした。Web調査を平成27年度中に実施することができなかったため、Web調査会社への委託費(その他)を平成28年度に持ち越すこととなった。これに伴い、平成27年度中に高度な統計解析を行う必要性がなくたったため、統計ソフトも次年度版を購入するものとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の4月~8月中に委託費(その他)を使用して平成27年度内に終えることのできなかった研究1のWeb調査を実施する。同時に、物品費を執行して平成28年度版の統計解析ソフトを購入する。9月~12月はWeb調査を通して信頼性と妥当性の得られた質問項目を用いた質問票を作成し、男性看護師を対象とするスノーボールサンプリングを開始する。同時期に協力医療機関の女性看護師を対象とする質問票調査(研究3)も実施する。これらの調査を通して、データ入力のための人件費と参加者謝礼を執行する。
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