2016 Fiscal Year Research-status Report
男性看護師の子育てライフまで充実させるダイバーシティマネジメントマニュアルの開発
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15K16177
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山田 泰行 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (80531293)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイバーシティマネジメント / ワークライフバランス / 男性看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を通してより精緻な知見を得るための手続きとして、当初の研究計画に予備調査の手続きを加えた。予備調査の内容は、DM組織文化質問票の項目を精査するためのシステマティックレビュー、インタビュー調査、先行調査で収集した男性看護師データの再分析である。これによって、Web調査(研究1)と質問票調査(研究2~3)の開始が平成29年度となったが、現場と研究に根差した実践的な項目を作成することができた。さらに、予備調査で得られた知見も研究成果として発信するように努めた。システマティックレビューでは国内論文のデータベースを使用して“男性看護師”をキーワードとする検索を行い、164件の文献の集計を通して国内研究の動向をまとめた。この成果は平成29年7月にロサンゼルスで開催されるThe 8th International Conference on Applied Human Factors and Ergonomics(AHFE2017)で発表することが確定した。インタビュー調査では、協力医療機関にて男性看護師7名と女性看護師7名を対象とするインタビュー調査を行った。音声データを逐語化したナラティブデータをもとにDM組織文化尺度項目を検討した。先行調査で収集した男性看護師データ(n=118名)の再分析では、本研究で使用する変数(職務満足度、生活満足度、流出、補償、分離、等)の回答分布を把握し、質問項目の妥当性を検討した。さらに、流出、分離、補法を独立変数、職務満足度と生活満足度を従属変数とするロジスティック回帰分析も実施した(個人属性を交絡として補正)。サンプルの少数性から分析結果を出力できない変数もあったが、精度の高い本調査を展開するための知見を得ることができた。この成果は平成29年6月に開催されるThe 2nd Asian Conference on Ergonomics and Design 2017(ACED2017)で発表することが確定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
男性看護師文献のシステマティックレビュー、男性看護師および女性看護師へのインタビュー調査、過去の男性看護師データの再分析など、DM組織文化質問票の項目作成に向けた予備調査を徹底したため、研究スケジュールが後ろ倒しとなった。Web調査の開始は平成29年度にまたがり、男性看護師のスノーボーリングサンプリングも必要サンプルサイズには至っていない。質問票調査は協力医療機関の倫理申請等の手続きを進めることはできたが、実際の調査は平成29年度の実施となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の4月~6月中にDM組織文化質問票の項目を確定の上、Web調査を実施する。開始済のスノーボールサンプリングは8月までに必要サンプルサイズを確保する。8月には協力医療機関における質問票調査を実施し、9月までに質問票を回収する。10~12月はデータ分析を行い、1~3月にかけて研究成果を集約したDMマニュアルを作成する。Web調査の分析結果は論文にまとめて平成29年度中に投稿する。質問票調査の分析結果は平成30年度の国際学会で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
DM組織文化質問票の項目を精査するため、研究計画の段階で予定していたよりも多くの手続きを予備調査として行った(男性看護師文献のシステマティックレビュー、男性看護師と女性看護師へのインタビュー調査、過去の調査で収集した男性看護師データの再分析、等)。これに伴い、Web調査が平成29年度となったことから、Web調査会社への委託費(その他)を次年度に使用することとした。インタビュー調査において調査協力謝礼の受取拒否が生じたことや、協力医療機関における質問票調査も平成29年度の実施となったことから、データ入力者謝金の執行も次年度に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の4月~8月中にWeb調査を行い、委託費(その他)を執行する。スノーボールサンプリングと協力医療機関調査に伴う研究協力者謝礼も順次執行する。質問票調査終了後には調査協力者およびデータ入力者への謝礼金(人件費)を行う。本格的なデータ解析に着手した段階で、統計解析のアプリケーションを購入する。既に平成29年度の研究成果発表が確定しているAHFE(ロサンゼルス)をはじめとする成果発表を通して旅費を執行する予定ある。
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