2016 Fiscal Year Research-status Report
筋酸素動態の空間的な不均一性が有酸素性作業能力に及ぼす影響
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15K16476
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
奥島 大 神戸芸術工科大学, その他部局等, 研究員 (70735307)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 筋酸素動態 / 近赤外時間分解分光法 / 有酸素性作業能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.有酸素性作業能力と酸素動態の関連性(横断的研究):前年度に実施した研究についてさらに検討を重ねた。その結果、全身の最高酸素摂取量は部位に関係なく活動筋の脱酸素化の最大変化量と有意な相関関係を示したことに加えて、運動強度の変化に対する活動筋の脱酸素化応答は有酸素性作業能力に関係なく、活動筋の部位によって異なる特性を有していることが明らかになった。本研究の内容はPhysiological Reports誌に掲載された。 2. 有酸素性作業能力と酸素動態の関連性(縦断的研究):前年度とは異なる成人男性18名を対象に2か月間の高強度インターバルトレーニング(HIIT)を実施し、その前後に漸増負荷自転車運動試験を実施した。この際、全身の酸素摂取量および外側広筋の表層部と深層部を対象に酸素動態を測定した。その結果、遅筋線維に富むと考えられる外側広筋深層部においても表層部と同様に(HIIT)によって脱酸素化の増大が促されることが明らかとなった。 3.一時的な血流量の増加が酸素動態に及ぼす影響:成人男性8名を対象に活動筋、特に速筋線維の毛細血管への血流を増大させる無機硝酸塩を食物(赤ビーツ)を介して摂取し、大腿四頭筋の酸素動態に及ぼす影響について検討した。その結果、無機硝酸塩による血流量の増加は有酸素性作業能力の違いによって効果が異なることや、一定強度運動中の酸素拡散の大きさに影響を及ぼすことが明らかとなった。 2.についてはJournal of Applied Physiolgy誌に投稿する準備を進めている。3.についてはJournal of Applied Physiolgy誌に現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画全体を通して実施予定であった研究計画について、低酸素環境を用いた計画については計画を修正する必要があったために実験に着手することはできなかった。しかし、それ以外の計画に関しては実験を完了させ、論文投稿の準備段階へと進めることができていることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、酸素供給量の低下(低酸素環境)が有酸素性作業能力と筋酸素動態の関係に及ぼす影響について研究を進め、これまで行ってきた研究成果も踏まえて計画全体の研究成果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
低酸素発生装置を購入予定であったが、実験実施に十分な能力を有する装置の購入が困難になり、計画の修正を迫られたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
低酸素発生装置の能力を落とし、作成した空気を別の容器に一時保管することで問題解決を狙っている。問題解決に必要な各種機材を購入するために次年度使用額を利用する予定である。
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