2016 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of the central nervous system in the improvement of exercise performance after training
Project/Area Number |
15K16479
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
山中 亮 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 契約研究員 (50632840)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高強度インターバルトレーニング / 血中乳酸濃度 / 最大酸素摂取量 / 経頭蓋磁気刺激法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、短期間の低酸素環境下における高強度インターバルトレーニング(High-intensity Interval Training: HIT)が及ぼす運動パフォーマンスの向上に対して、末梢性機能の向上と共に中枢性機能の向上が関与するのかどうかを検討することであった。 この目的を達成するために、本研究では7名の大学生長距離走者を対象に6日間の低酸素環境下におけるHITを実施した。対象者の競技会における5000m走の最高タイムは、15分13秒4±16秒3(平均値±標準偏差)であった。トレーニングの際に用いた低酸素濃度の設定は、標高3000m相当とした。低酸素環境下におけるHITは、自転車エルゴメータを用いた全力ペダリング運動と、トレッドミルを用いた全力ランニング運動を各5回ずつ、計10セッションを6日間に分けて実施した。全力ペダリング運動は、4分間の休息を挟みながら、体重の7.5%の負荷で30秒間の運動を5セット実施した。全力ランニング運動は、10秒間の休息を挟みながら、最大酸素摂取量強度に相当する走速度の115-120%強度で20秒間の運動を6-10セット実施した。低酸素環境下におけるトレーニング効果を検討するために、低酸素トレーニングの前後に運動パフォーマンステストおよび経頭蓋磁気刺激装置を用いて中枢神経系の興奮性を評価するテストをそれぞれ実施した。 その結果、短期間の低酸素環境下におけるHITをすることによって、先行研究と同様に、ランニングの運動パフォーマンスがトレーニング前よりも有意に向上した。ランニングの運動パフォーマンスの向上と共に、有酸素性能力の指標である最大酸素摂取量の増加と、無酸素性能力の指標である最大血中乳酸濃度の増加がトレーニング後において確認された。一方、低酸素トレーニングの前後では、運動に対する中枢神経系の興奮性には変化が認められなかった。
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