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2015 Fiscal Year Research-status Report

外傷性骨化性筋炎の病態の解明と、予防法・治療法の探索

Research Project

Project/Area Number 15K16488
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

武 靖浩  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10745772)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords異所性骨化 / 骨化性筋炎 / 筋再生 / 繊維化 / 整形外科 / 外傷
Outline of Annual Research Achievements

まず外傷性骨化性筋炎(MO)の動物モデルとしてすでに発表されているLiuらのモデルの再現実験を行った。本モデルは鉄球をマウスの大腿四頭筋に落下させる直達外力で骨格筋の外傷を誘発し、少量のBMPを局所投与することで異所性骨化(HO)を誘発するものであるが、再現性は不確かなものであった。理由として、鉄球落下による骨格筋外傷にかなりのバラツキがあることが考えられた。このためより安定したモデルを開発すべく、cardiotoxinの局所注入による薬理損傷を用いることにした。
C57BL6/J雄マウス10週齢の大腿四頭筋に対し、BMP 1.5ug単独投与ではHOは誘導されないが、cardiotoxin 1nmol+BMP 1.5ugの同時局所注入により、損傷骨格筋特異的にHOが誘導されるモデルを新たに開発した。このモデルの時間的空間的な組織学的解析を行った。
誘導後14日目の免疫染色では、HOの骨芽細胞・骨細胞はαSMA陽性であり、αSMA陽性細胞がHO誘導に深く関与すると考えられた。誘導後4,7,14日後の経時的変化を追うと、初期には広く筋繊維が壊死しているがラミニン免疫染色で実際は筋繊維の基底膜構造は温存されており、筋繊維そのものからHOが生じることは考えにくかった。一方筋線維基底膜の間隙、すなわち筋周膜部分に線維増生が起こっており、その中でαSMA陽性細胞が凝集した部分が軟骨分化し、内軟骨性骨化を経て、表層に類骨・層板骨、深層に未分化な線維芽細胞というゾーン現象に変化していくことが分かった。この変化は実臨床で報告されているMOの病期と類似しており、本モデルはMOの病態を考察するのに適していると考えられた。さらに、筋繊維ではなく筋膜に生じたαSMA陽性細胞主体の繊維化からHOが起こることが新たに分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

より安定した新たなモデルの開発に成功し、筋繊維ではなく筋周膜の繊維化に続発して異所性骨化が起こることが分かった。また、その原因となる細胞として、αSMA陽性というマーカーも新たに判明し、さらなる研究の手がかりとなると考えられた。

Strategy for Future Research Activity

異所性骨化が繊維化に続発して起こることが明らかとなったことから、繊維化に対する介入により骨化が予防できるか、小分子化合物で肝臓の繊維化を劇的に改善することが知られているCWHM-12を用いて介入実験を行う。また、筋活動により繊維化・骨化が変化しうるか、脱神経モデル・膝蓋腱切断モデル、他動的ストレッチによる介入を試みる。
また、異所性骨化は筋線維の再生より周囲の繊維化が優位となってしまうことで生じていることが今回新たに分かっている。そこで、筋繊維の再生を促す介入として、本教室の予備実験結果で効果があることが分かっている全身振動刺激も試みる。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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