2015 Fiscal Year Research-status Report
中学・高校生の夜型化,概日リズム変調に対する睡眠教育プログラムの開発と効果検証
Project/Area Number |
15K16544
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
田村 典久 東京医科大学, 医学部, 助教 (00739435)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 睡眠教育プログラム / 睡眠健康 / 睡眠促進行動 / 概日リズム / 眠気 / 中学生 / 高校生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、中学・高校生における生活の夜型化と概日リズム変調の改善を目的とした個別カウンセリング形式の睡眠教育プログラムを開発し、これによる睡眠や日中機能に与える改善効果を、短期的・長期的に検討することである。 第一段階として、初年度は、中学生を対象として、横断調査を実施した。本調査の目的は、平日と週末の就床・起床時刻の後退が日中機能(眠気や学業成績)に及ぼす影響を明らかにするとともに、生活の夜型化と関連する行動パターンを検討することである。この検討の必要性については、従来、日中の眠気を強める要因として概日リズムの乱れが指摘されてきたが、わが国では中学・高校生の睡眠スケジュールを平日と週末に分けて調査したものが極めて乏しく、概日リズム変調者の実態が明らかにされてこなかったためである。本調査では、広島県内の公立中学校13校の生徒4,444名(回収率:93.9%)を対象に、平日と休日の就床・起床時刻、日中の眠気(The Pediatric Daytime Sleepiness Scale (PDSS)日本語版)(Komada et al. Chronobiology Int, under review)、10教科の学業成績(5段階の自己評価)についての横断調査を実施した。現在、解析を進めるとともに、論文執筆の準備を進めている。同時に、広島県内教育研究会養護部会を通じて、高校での調査実施について入念に協議を進めており、本年度中に実施予定である。 さらに、第二段階で実施する中学・高校生用の個別カウンセリング形式の睡眠教育プログラムのモジュールを決定し、現在マニュアルを作成中である。また、睡眠教育プログラムの効果評価に関わる研究計画については、東京医科大学の医学倫理委員会から承認が得られた。こちらについても、現在、広島県内の中学・高校の養護教諭を中心に入念に協議を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、中学生を対象に横断調査を実施し、解析を進めているため。また、中学・高校生用の個別カウンセリング形式の睡眠教育プログラムのモジュールを決定し、研究計画について倫理委員会からの承認を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
睡眠教育プログラムの予備的検討、および無作為化比較試験による効果評価を行う。具体的には、完成した睡眠教育プログラムに関する理解度、妥当性および予備的な効果の検討を行うため、入眠開始時刻が午前1時以降で週3日以上の入眠困難を訴える生徒15名を対象に、1回50分×4セッションの個別睡眠教育プログラムを実施する。次に、同問題を有する41名の生徒を「睡眠教育群」と「待機群」に無作為に振り分け、本プログラムの効果を無作為比較試験を通じて実証的に検証する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は横断調査を行ったが、当該調査での論文執筆には至らなかった。そのため、英文校閲費が支出されなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に予定している横断調査ならびに介入研究と並行して、論文作成を行う予定である。
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Research Products
(7 results)