2015 Fiscal Year Research-status Report
熱帯アフリカにおける交通網再編による地域社会へのインパクト
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15K16588
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| Research Institution | Ryukoku University |
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Principal Investigator |
坂梨 健太 龍谷大学, 農学部, 講師 (90749128)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | カカオ生産 / アフリカ / 農民経済 / 獣肉取引 / 改良品種 / 移動 / 多生業 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の調査・研究をおこなった。
1. 交通網の発達による村落の影響について。カメルーン共和国において、アスファルト道路整備が終了した地域でフィールドワークをおこなった。工事過程においては、地域内に労働者が多く暮らし、農作物の需要が高くなった。そのため、一部の農家は過度な販売や提供をしたことで食料不足に陥る場合もあった。道路整備が終了した後には、労働者はいなくなり、地域内の食料需要は従来の状態に戻りつつあるが、交通網の発達は都市部の商人や町と村を結ぶタクシー運転手によって野生獣肉需要をの増大を引き起こしている。一方、農民の新たな取り組みとして、品種改良されたカカオの導入が見られるようになった。それは国家の支援によるところが大きく、アスファルト道路によるカカオ輸送の向上が見込まれることで、生産量が国内のなかでも劣る南部地域での生産拡大を図ろうとする農業政策であることが読み取れる。今後、農業政策も含めて、交通網発達の影響について注視していく。
2. 道路沿いの商品販売について。カメルーンの首都ヤウンデから南部州の調査地域まで道沿いに何が売られているのか、GPSを用いた調査をおこなった。アスファルト道路によってどのような変化が見られるか分析を開始している。
3. カカオ生産に関する資料収集。カメルーン国立文書館にて、国内の主要新聞であるCameroun tribuneを中心に、現在の農業政策や経済状況に関する記事を収集した。また、植民地時代の農村の状況や農民の意見などが掲載された地方新聞を発見した。植民地時代のカカオ生産の状況分析に利用していくつもりである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カメルーンにおいて交通網の変化による村落状況を把握することができた。道路工事後の農民経済の変化をより詳細に把握するために、家計簿などの日誌を村人数名につけてもらうよう依頼した。平成２８年度の調査で回収し、分析したい。
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| Strategy for Future Research Activity |
カカオの生産量が世界一のコートジボワールで広域調査を行う予定である。道路整備がどのようにカカオ生産や他の活動に影響を与えているのか、カメルーンとの比較を意識しながら調査を進めたい。アフリカのカカオ生産全体の動向が見据えられる調査データの収集に努める。
コートジボワールが政情不安によって現地調査がうまく進められない場合は、一度訪れたことのあるガーナでの調査を考えている。また、日本にいる間も、収集した資料の分析や国会図書館やアジア経済研究所にて関連資料の収集をおこなう。
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