2016 Fiscal Year Research-status Report
プラトンとアリストテレスの文芸論とその現代的意義の研究
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15K16631
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
田中 一孝 桜美林大学, 人文学系, 講師 (50705192)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プラトン / アリストテレス / 文芸論 / 美学 / 芸術 / 模倣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はプラトンとアリストテレスの文芸理論の現代的意義を明らかにすることである。 本年度は昨年度に引き続き、古代ギリシアの芸術的思想における最も基本的なターム「模倣」について、主にプラトンの『ティマイオス』篇とプロティノスの作品に焦点を当てながら調査研究を行った。その際には現代の「表象」概念や「類似」概念を参照し、模倣概念の特徴を浮き彫りにしようと努めた。その成果については2017年5月にイタリアで開かれる国際会議(Third Interdisciplinary Symposium on the Heritage of Western Greece)で発表することが決まっている。 次にプラトンとアリストテレスの文芸理論における観劇の際の情動の変化と共感の仕組みについて、現代の分析美学の理論と比較しながら調査研究を行った。この研究成果についても、2017年度中に国際会議で発表することを予定している。 本年度の具体的な成果として、プラトン『饗宴』篇における不死性と美と知の関係についての論考が、査読付きの国際論文集に掲載された。また7月に韓国で開かれた国際会議(20th International Congress of Aesthetics)では、プラトンの文芸論と現代のフィクション論を比較した口頭発表を行った。 なお当該年度の研究遂行にあたり、古代哲学フォーラム(第45回例会、2017年3月、京都)、古代哲学会談話会(2016年8月、京都)、ギリシア哲学セミナー(第20回、2016年9月、東京)、関西哲学会(第69回大会、2016年10月、大阪)などに参加し、専門的な研究者と意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はプラトンやアリストテレスをはじめとした古代ギリシアの文芸理論だけでなく、現代の美学理論についても並行して調査研究をするものである。本年度は古代・現代を比較しながら、主に芸術作品を制作する際の基礎的概念と、観劇の心理学に焦点を当てて研究を進めることができた。 調査対象が幅広いため、昨年度に引き続き基礎的な文献調査に多くの時間を割くこととなったが、そうした基礎的研究の成果を本年度からは公にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当該研究の最終年度にあたる。まずは上記の本年度の研究実績を国際会議や学会誌において発表する。また古代ギリシアにおける「真実と虚偽」の対概念を現代の「フィクションである/ない」という思考と比較し、現代とは異なった古代ギリシアの人々の文芸観・芸術観を浮き彫りにしたい。
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Causes of Carryover |
年度末の国内出張予定が学務と重なり中止になったため、その分の予算を次年度に繰り越す。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗により国内学会発表のため予定より出張回数が増える。そのために繰り越した分の予算を使用する。
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Research Products
(2 results)