2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Position and Conditions for Appearance of the Azerbaijani Clitic
Project/Area Number |
15K16740
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
吉村 大樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (80522771)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アゼルバイジャン語 / テュルク諸語 / トルコ語 / 疑問文 / 接語 / 形態論 / 統語論 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2017年度は、まず7月にバクーに現地調査に赴き、アゼルバイジャン語言語情報提供者から研究課題に関連する文法事項について聞き取りを行い、データの補充を行った。また、本研究課題の今後の発展的課題として、いわゆる名詞修飾節の形成および文法的特徴についてのデータ収集も行った。また年度末には、3月上旬に東京外国語大学AA研にて開催された国際ワークショップ"Current topics on Turkic Linguistics"にて、"Morpho-syntactic behaviour of the Azerbaijani copular clitic"というタイトルで、研究成果の一部として発表を行った。さらに3月下旬に京都大学ユーラシア研究センターで開催されたユーラシア言語研究コンソーシアム2017年度年次大会において、「アゼルバイジャン語諾否疑問文研究の課題」として口頭発表を行った。この口頭発表論文は、研究課題全体の総括としての意味合いをもつ。 公刊論文として、別に記載したとおりトルコにて発行された『日本語・日本文化諸考究』誌に掲載する機会を得た。そこではトルコ語の諾否疑問文における疑問の焦点部分が限定される現象と日本語の疑問文における「ノカ」の役割に共通性があることを論じており、これも研究課題の成果として挙げることができる。その他、紙媒体ではないがウェブサイトAcademia.eduにも1点、本研究課題の一部としてMorpho-syntactic properties in Azerbaijani verbalsというタイトルの論文を公表しており、今後加筆修正を経て正式な公刊を予定している。 以上の研究成果は、アゼルバイジャン語疑問文の文法的特徴がテュルク諸語研究の中でも特に考察に値することを明らかにできたという点で意義を有しており、当然今後も継続して研究を行う。
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