2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Reaction of Foreigners in the Middle part of China during the Second Sino-Japanese War and its effects on international relations
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15K16818
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
竹ノ内 文美 (吉井文美) 山形大学, 人文社会科学部, 講師 (30749370)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日中戦争 / 占領地経済 / 揚子江 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日中戦争期に日本が揚子江封鎖を行った際に諸外国がどのような反応を示したのか、そして、それが当時の日本外交においてどのような意味を持ったのかについて考察した。 本テーマを取りあげる上で注目したのは、近代中国において揚子江は、様々な国が航行権を持つ国際航路としての性格を帯びていたことである。具体的には、日中戦争の進展に伴って日本が揚子江封鎖に踏み切ったとき、揚子江を航行する権利を持ち、さらに沿岸に重要な経済権益も有するイギリスが見せた反応について、在華イギリス人とイギリス外務省の反応の差異を踏まえながら考察することで、揚子江封鎖をめぐる日英交渉の多元的理解を試みた。 実際に研究を進めていくと、以上に述べた当初の問題関心に加えて、①当時の日本の対占領地経済政策の実施状況、②当時の日英関係が日米関係に与えた影響、についても考察を深める必要性を感じた。そのため、①については、前年度の学会報告で得た指摘を踏まえながら、日本の占領地経済に関する史料の収集と分析を新たに進めた。②については、アメリカ国務省の関係史料を新たに収集し、前年度収集していたイギリス外務省の対米関係に関する史料とも突き合わせながら、分析を進めた。これらの作業を行うことで、日中戦争期の日本外務省の対英米協調路線が、占領地経済政策の停滞を背景として手詰まりとなっていた状況についても、指摘することができた。 研究内容は雑誌論文にまとめ、発表した。
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Research Products
(1 results)