2017 Fiscal Year Research-status Report
北朝~隋代華北地域の交通路に関する実証的研究―摩崖石窟等を手掛かりとして
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15K16850
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
北村 一仁 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60748028)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 交通路 / 中国北朝 / 摩崖・石窟 / 造像銘 / 関門・古道遺跡 / 山西省 / 河北省 / 境界地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,山西省及び河北省西部における北朝~隋期の交通路と,摩崖・石窟についての調査・研究を行った。今年度の補助金も,前年度と同様,中国での現地調査・学会参加費用と,関係書籍および必要な物品の購入等に充てた。 〇現地調査に関して:2017年8月,山西省陽泉・晋中市,河北省邯鄲市において,各地の遺跡等に対するフィールドワーク等を行い,東魏北斉の首都たるギョウと,陪都たる太原とを結ぶ交通路である,「御路」・「フ口道」の大部分を走破,併せて近傍に位置する摩崖・石窟の調査,もしくは位置・現状確認を行った。また8月16日より18日まで邯鄲市で開催された「中国魏晋南北朝史学会第十二届年会曁国際学術研討会」に参加し,「北朝時期ギョウ・上党之間的交通道路和摩崖・石窟」と題し報告した。2018年3月には,山西省晋城・長治,河北省邯鄲市の遺跡等に対して調査を行った。前半は初めてとなる高平・長治の調査,後半は前回の調査で到達できなかった箇所の再調査となる。邯鄲市渉県から二箇所の摩崖を経て,邯鄲市方面に至る交通路を実際に走破,また普段は非公開の水浴寺石窟の調査を行い得たことは,特筆すべき成果である。 〇成果に関して:本年度の調査の成果について,上述の学会で報告を行ったほか,2018年3月に京都大学で開かれた「第 2 回日本洛陽学國際シンポジウム 隋唐洛陽と東アジア」においても,「北朝後期~隋代における洛陽・登封・鄭州・許昌間の交通路」と題する報告を行った。これは2015-16年度の調査成果に基づくものである。また2017年度までの調査研究を踏まえ,「北朝期における『邑義』の諸相」(窪添慶文(編)『魏晋南北朝史のいま』勉誠出版 2017年8月)を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の調査・研究は,全般的に順調である。一部,山西省の調査にて,種々の理由(気候・天候・交通状況等)にて目的の遺跡に到達できなかった箇所もあるが,大まかな位置は確認できたので,交通路を考察する際にはさほど問題とならない。今後,機会があれば再訪を期したい。 成果の整理も順調で,2018年7月に予定している最後の調査を踏まえ,年内に原稿を仕上げ,年度末には報告書を上梓できるよう,作業を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は,7月に晋中市・運城市等の調査を行い,その後桂林にて開催される学会に出席,2017年度の調査成果に基づく報告を行う予定である。それと並行しつつ,年度前半までに報告書の草稿を完成させ,調査後速やかにその成果を組み込み,年度内に報告書を完成させる。
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Causes of Carryover |
(理由)2018年3月調査の際の現地交通費(立て替え払い)に必要なので,その分を,余裕をみて確保しておいたため。 (使用計画)書籍および物品の購入,もしくは旅費に充当する。
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