2018 Fiscal Year Research-status Report
地域安全保障と地域機構の紛争関与:アジアとアフリカの対照性の要因分析
Project/Area Number |
15K17015
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
鈴木 早苗 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東南アジアI研究グループ, 研究員 (30466073)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域機構 / 紛争管理 / アフリカ / ECOWAS |
Outline of Annual Research Achievements |
三つの現地調査と二つの学会発表を実施した。現地調査については、第一に、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の本部(アブジャ、ナイジェリア)を訪問し、ECOWAS委員会などでインタビューや資料収集を実施した。次に、欧米諸国の研究機関を訪問し、研究潮流の把握に努めた。2018年5月、ウイーン大学のアフリカ研究所、9月、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)やジョージタウン大学などにおいて、資料収集を実施するとともに、アフリカの地域安全保障と地域機構の役割、あるいは紛争解決などに関する専門家と意見交換を実施し、自身の論文執筆のための参考意見を聞くことができた。 アフリカには、ECOWASやアフリカ連合(AU)など多くの地域機構が存在し、時に対立し、時に強調しながら、アフリカ各地の紛争の解決に向けて活動を展開している。単一の地域機構の紛争関与メカニズムを解明するためには、他の地域機構との関係を視野に入れることは重要である。こうした観点から、ECOWASと域外諸国との関係、ECOWASとAUの関係について分析した。この分析結果をもとに、2018年6月、ライプチヒ大学大学院の地域研究セミナーと、ケニア・ナイロビで開催された国際会議(the 8th International Interdisciplinary Conference)において、報告を行った。 研究機関の訪問や学会での発表を通じて、研究者ネットワークを構築できたことも今後の研究計画遂行において成果の一つとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数の学会やセミナーで報告し、有益なコメントを得たことで、論文の執筆に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
論文の執筆と投稿のため、一年の延長を申請した。今後は、論文を完成させ、投稿を試みようと考えている。また、学会発表等で意見交換した研究者と共同研究の可能性を探っているので、この点についても進めていきたい。
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Causes of Carryover |
現地の事情により、現地調査の実施が遅れたこと、購入図書の選定が遅れたことなどが理由である。 使用計画については、図書を購入する予定である。現地調査の実施については、他の予算で実施を予定することができそうなので、現在使用中のPCの動作が不安定でデータ整理や論文執筆の上で不安が残るので、買い替えを検討している。
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