2016 Fiscal Year Research-status Report
信頼関係構築のプロセスにおける感情の役割と影響に関する研究
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15K17121
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
神山 寛子 (能間寛子) 文京学院大学, 外国語学部, 助教 (50632204)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 組織行動 / 信頼 / 感情 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、信頼構築のプロセスにおける感情表出(感情の抑制や調整)のルールを明らかにし、感情マネジメントへの理解を深めることである。本研究では特に、今までに十分な議論がなされていなかった日本文化の影響に着目する。 当該年度は、前年度に引き続き、文献研究を行った。当該研究期間中には、信頼と感情の関連性を学際的な見地から整理し、実証研究の論理的基盤を作ることを試みた。同年公表した論文の一部では、日本文化独自の信頼の判断基準である「素直さ」の観点から信頼と感情の関連性を議論した。 上述した論文では、素直さをcharacter(人格、性格)としてbusiness ethics and virtue(ビジネス倫理・徳倫理)の枠組みで捉え、考察した。信頼は多様な側面をもつ概念であるが、その一側面である感情的信頼(affect-based trust/ affective trust)は、他者の示す気遣いや情緒的態度及び感情の共有によって信頼できるかどうかを判断するものである。感情的信頼は、「頭で判断する信頼」ではなく、「心で判断する信頼」であり、職場におけるコミュニケーションや感情の共有を通して構築されるものであることがわかった。 次年度以降は、感情的信頼を中心的な概念とし、文献研究の成果をもとに研究を進める。平成29年度及び30年度は、研究課題をbusiness ethics and virtueやpositive psychologyを含む学際的見地から多角的に考察できるよう、予定しているアンケート調査やインタビュー調査の項目を設定し、実証研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は入院や妊娠による体調不良のため研究が大幅に遅れた。特に6月から3月まで体調不良が続いたことや、行動に制限が出たことで、打ち合わせや学会への参加等ができず、予定していた研究を計画通りに行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は産前産後休暇および育児休暇の取得を予定しており、研究の再開は平成30年2月になる見込みである。研究再開時には先行研究のアップデート及び参加を予定していた企業等とのスケジュールの再調整が生じる。平成30年2月より企業側との調整をはじめ、同時進行で先行研究及びインタビュー項目の調整をしたい。また、産前産後休暇および育児休暇の取得に伴い、研究期間の延長を申請し、当初の研究目的の達成を目指したい。
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Causes of Carryover |
平成27年度の研究に若干遅れが出ていたが、平成28年度は体調不良等により当初の研究計画から大幅に遅れが生じた。体調不良であった期間が長く、行動にも制限がでたため、打ち合わせの実施や学会への参加等ができず、特に人件費・謝金や旅費の予算において次年度使用額が生じた。また、研究が遅れたため、成果の公表にも遅れがでており、成果の公表に係る費用も当該年度中に計画通りに使用することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は産前産後休暇および育児休暇を取得する予定である。研究の再開は平成30年2月を予定している。平成30年2月及び3月に先行研究のアップデート、アンケート調査及びインタビュー調査の準備を、企業側のスケジュール調整と同時進行で行う。また、平成29年度は10か月間研究のできない期間があるため、研究期間の延長を申請し、当初計画していた通り、インタビュー調査及びアンケート調査を行い、学会発表や論文を通して成果を公表したい。
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Research Products
(1 results)