2021 Fiscal Year Research-status Report
信頼関係構築のプロセスにおける感情の役割と影響に関する研究
Project/Area Number |
15K17121
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
神山 寛子 (能間寛子) 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (50632204)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 信頼 / コミュニケーション / 感情 / 恐れ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、信頼関係構築のプロセスにおいて、感情が与える影響や役割について追究することを目的としている。日本企業における組織内コミュニケーションに注目して、感情表出(または抑制)のルールが、どのように信頼関係の構築に影響を与えているかについてアンケート調査及びインタビュー調査を行い、得られたデータを分析した。 研究期間中、感情表出(または抑制)のルールがコミュニケーションの中で、どのように共有され、信頼関係構築に影響を与えているか、という点についてデータを分析し、理解を深めた。そして、前年度は感情の中でも、特に「恐れ」に着目し、分析を進めていた。2021年度は、引き続き、コミュニケーションを通して人間関係・信頼関係構築に係る「恐れ」がどのように表出、共有されているのか、そしてその「恐れ」に対する戦略的なコミュニケーションパターンを分析した。さらに、「恐れ」に関するコミュニケーションと関連して、自己呈示における一定のコミュニケーションパターンをカテゴリー化し、検討した。その過程で、感情労働の多い職場の信頼関係構築において特徴的なコミュニケーションも見出すことができた。この点については、まだ全ての分析を完了することができていないが、感情労働の多い職場でのコミュニケーションパターンの中には、ストレスコーピングと関連があるものもあることも示唆されたため、翌年度は、信頼関係構築の過程における「恐れ」とストレスコーピングの観点からも検討を進め、分析及び考察を完了したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度は、引き続き感染症拡大の影響を受け、イレギュラーな対応等があったため、当初の計画より遅れが出た。遅れが出た部分については、研究期間の申請をして、翌年度に取り組む予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、分析の終わった部分から論文の執筆にとりかかった。しかし、論文の執筆を完了し、公表する段階までには至らなかったため、2022年度は、引き続き論文を執筆し、研究成果の整理と公表に注力する。
|
Causes of Carryover |
2021年度は2020年度に引き続き、コロナの影響により業務が大幅に増えたため、研究に遅れが生じ、予定通りに実施することができなかった。また、引き続き感染症対策の為、インタビューや学会参加が予定通りに進まなかった。 2022年度は、昨年度計画通りに進めることができなかった研究成果の公表、特に論文の執筆を行うため、主にeditingやproof reading及び研究成果の公表に予算を使用する予定である。
|