2016 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク視点から捉えた売り手と買い手のリレーションシップ
Project/Area Number |
15K17149
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大平 進 早稲田大学, 商学学術院, 助教 (30709001)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マーケティング戦略 / ネットワーク / リレーションシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ネットワーク型取引の視点から産業材市場における売り手と買い手の関係性についてメカニズムを明らかにすることである。 平成28年度は、日本サプライマネジメント協会の協力を得て、関東・関西地方の上場企業(合計8社)に対して仮説構築を目的とした半構造化インタビュー調査を実施した(実施期間:8月~12月)。調査対象となったのは、資材や調達、購買部門に属する責任者である。質問項目として(1)サプライヤー企業との付き合い方について、直近10年間で起きている変化とその変化への対応方法、(2)サプライヤーを選択する際に重視する基準や項目、それら変遷について、(3)購買組織の文化や体制について、を設定している。 ヒアリング内容についてまとめた結果、震災によって生じたサプライチェーン寸断危機や事業継続性に関連する問題、フェアトレードに代表される企業の社会的責任に関する問題などが直近の大きな変化として挙がった。また、このような変化への対応として今回調査をおこなった8社は、自社を取り巻くネットワークを活用して対処していることが示された。ところが、調査対象企業とサプライヤーを含むステークホルダーとの協力の在り方に違いが見られた。ヒアリング調査の結果については、詳細について分析中である。 また、予備調査として2015年におこなった定量調査については、11月に滋賀大学・大津サテライトプラザにて開催された商品開発・管理学会 第27回全国大会において「共同問題解決が拡張的再購買意向に及ぼす影響―ネットワーク視点にもとづく検討―」というタイトルで報告をおこなっている。報告に対して、本調査に向けて有意義なフィードバックが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目標は、ネットワーク型取引の視点から産業材市場における売り手と買い手の関係性についてメカニズムの解明をおこなうことにある。初年度は、文献調査をおこない当該分野におけるリサーチギャップを把握することが出来た。2年目には、ヒアリング調査を実施することで仮説設計に必要な知見を得ることが出来た。本調査に向けて予備調査も実施できていることから、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はヒアリング調査で得られたテキストデータを整理し、先行研究のレビューと合わせて仮説を構築する(4月~7月)。ヒアリング内容をまとめた論文にする予定である。続いて、仮説を検証するためのアンケート調査の調査票を作成し(8月)、サプライヤー企業の購買責任者を対象にアンケート調査を実施する計画である(9月以降)。
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Causes of Carryover |
調査費用が予定より若干低く抑えられた。ほぼ予定通り消化できており問題無いレベルと考える。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外学会報告に向けた翻訳費用として使用を計画している。
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Research Products
(1 results)